劇場公開日 2013年10月26日

「共に初々しさを感じるオムニバス的な群像劇、眩しさがまた悪くない」自分の事ばかりで情けなくなるよ たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0共に初々しさを感じるオムニバス的な群像劇、眩しさがまた悪くない

2022年1月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

怖い

怒りという感情がモノを破壊することで精算できるなら、どれだけ壊してるだろう。松居大悟監督にもがきを感じるし、クリープハイプの名盤もまだ青くていい。その不出来な部分も嫌いになれない作品。

『ちょっと思い出しただけ』の2回目をより楽しむにあたり、カギとなる「松居大悟×クリープハイプ」を解いてみることにした。フォロワーさんから円盤を借りて初鑑賞。

確かにPVに肉付けした様な仕上がりにはなっているが、曲の輪郭を浮かばせる映像は魅力的。ただ、純度が高いのは元々PVだった『イノチミジカシコイセヨオトメ』と『あたしの窓』のみで、後半は少し混ざりすぎて黒くなった絵の具の様。イントロダクションノートが付いているので、そこは深く潜ってみたい。そういう意味では、両者は共に青くて初々しい。また、お互いより高い地点に来たのだとしみじみ感じる。

演者もなかなかフレッシュ。山田真歩も貫禄より若さが勝り、黒川芽以も透明感が前面的に出ている。そんな中、池松壮亮の質は相変わらず一級で、さすがの一言。こうして『ちょっと思い出しただけ』で1番に指名するのも分かる。これは俳優としてだけでなく、枠を超えた盟友でもあるのだろうけど。諸々空気も楽しめた。

ある種の実験作であり、ウブさがまた堪らない。こうして再びタッグを組み、「パイプ」を取った「ナイト・オン・ザ・プラネット」を松居大悟監督の手で映像化する。また一層楽しめる予感がする。

たいよーさん。