007 スペクターのレビュー・感想・評価
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ボンド、必死に女を護るの巻
6代目ジェームズ・ボンド=ダニエル・クレイグの最終作がやっと公開されたので、彼の過去作を復習鑑賞(その4)。
前作『スカイフォール』の直接的続編。サム・メンデス監督が続投。
まず、ボンドが拳銃を撃つトレードマーク映像が開巻に復活しているのが嬉しい。
オープニングシークェンスで、圧巻の長回しからビル倒壊スペクタクル、ヘリコプターの空中アクションと度肝を抜かれる。
あの長回し、どうやって撮影したのだろうかと思うが、メンデス監督にはお手のものか。
本作では、ボンドガール=マドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)とボンドは恋に落ちる。ヴェスパーを陥れた憎き仇として追っていたはずのMr.ホワイトの娘なのだが、ボンドの下半身はそんなことお構いなしだ。
ヴェスパーと叶えられなかった愛の生活を彼女との間に求めたようなエンディングが待っているのだが、いささか歳の差がありすぎるのではなかろうか…
その前に、ボンドが誘惑するスペクター幹部の未亡人をモニカ・ベルッチが演じている。お年を召しても綺麗だ。
彼女の保護をCIAのフィリックスに託すが、前々作のフィリックスが私の中では株を下げているので、信頼してよいものやら…
Mr.ホワイトに娘を護ると約束をして、ボンドは彼の自殺を見届ける。
MR.ホワイトは組織から命を狙われているようで、親娘共々さっさと殺せるんじゃないかと思うのだが、まんまとボンドの介入を許してしまった組織も緩い。
ある秘密を知っているという娘のマドレーヌは精神科医で、彼女が勤める雪山の高級リゾートホテルのような診療施設には、『女王陛下の007』の舞台を想起させるものがある。
そこで拉致されたマドレーヌの奪還に奮闘するボンド。
敵の車を飛行機で追うこのシークェンスが、アイデア満載だ。
この段階でボンドはマドレーヌをものに する気満々だっただろう。命がけで救ったのに猛烈に拒絶された時のボンドは情けなく見えて、良い。
MR.ホワイトが最後に残したキーワードは隠れ家を指していた。
そこでヴェスパーに関するビデオテープを見つけるが、見なかったことにしてしまう。今はマドレーヌを落とす方法を考えよう…て、ところか。
さて、隠れ家で見つけたもうひとつの情報から得たある地点に向かって、ボンドとマドレーヌは長距離列車の旅に出る。
コンパートメント、食堂車両、列車内での殺し屋との格闘など、今度は『ロシアより愛を込めて』を彷彿させる。
しかし、この列車の旅にタキシードを用意しているボンドもボンドだが、マドレーヌもちゃんとドレスを持ってきているあたり、目的は同じだったのだ。
で、お互の願い叶って熱烈なラブシーンとなる。
レア・セドゥという女優、『美女と野獣』の時に「もっと綺麗な女優を使えなかったのか」と失礼ながら思った。本作でも何だか腫れぼったい顔は美人だとは思えない。が、見てるとだんだん可愛く見えてくるから、優れた女優というのは凄い。
ボンドとマドレーヌは、砂漠地帯のクレーター内に建つスペクターの秘密施設で、ブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)と対面する。
二人に正装の着替えを用意して施設を案内するあたりは、『ドクター・ノオ』だ。
猫ちゃんもブロフェルドの膝の上ではないが、ちゃんと居た。
MR.ホワイトの最期を撮影したビデオを見させられ、マドレーヌに必死で「見るな」と言うボンドの焦る姿に、ル・シッフルに拷問されても余裕を示していた男の弱みを見た。
本作のボンドの行動は、前任のMの遺言がトリガーになっているのだが、スペクターの首領ブロフェルドがボンドの養父の息子(つまり義理の兄)だということを前任のMは知っていたととれる。そもそも『カジノ…』から『スカイフォール』までにスペクターの影はなく、本作で初めて今までの悪党たちには共通の上位組織が存在したことが明らかになった(『慰めの報酬』のグリーンは除いて)のだが、それも前任Mは知っていたのか。
“スペクター”と“ブロフェルド”は、権利問題で今まで映画で使えなかったのだが、問題を解決して『ダイヤモンドは永遠に』以来晴れてスクリーン登場となったという事情もあったりする。
ポンドは砂漠地帯のスペクター施設を爆破し、マドレーヌと共に脱出する。
そして舞台はロンドンへ移り、次なる戦いのフェーズに突入する。
後任のM(レイフ・ファインズ)は、実はスペクターの一味だった英保安局の新任トップCによって職を追われていた。
マネーペニーたちとCの計画を阻止するのだが、国際会議でCが提唱した情報集約システムが承認されているので、その点は一体どうなるのだろうか。英国の国際的責任はかなり大きい。
ブロフェルドがマドレーヌを人質に取り、旧MI6本部建物に仕掛けた時限爆弾を起動する。またぞろボンドは必死の行動でマドレーヌを救出する。
ボンドと関わったことで命を落とした多くの女たちとは違い、マドレーヌはきっちり救われて最終作へつなぐのだった。
アクションの面白さ、派手さは前作に負けていない。
旧作へのオマージュも見られ、ボンドはウイットをきかせているし、ヴィランは屈強な殺し屋と不気味なブロフェルドの二段構えでインパクトがある。
ボンドの非公認行動と、ロンドンでMたちに降りかかる危機を並行で描く構成も面白い。
難点は、説得力に欠けるご都合主義的な物語展開だが、それは本作に限ったものではない。
諜報活動から足を洗って身を固めようとしても、ボンドに平穏な日々が来るはずはない。
助手席で笑みを見せたマドレーヌは、苦難の道を選んだことをまだ知らない。
(再鑑賞=2021/10/16 amazon prime video)
007は義務教育だと思っているので自動的に新作が出たら見るし、TV...
敵がいつも私情に駆られ過ぎるのが特徴
改めて観直す。
”ノー・タイム・トゥ・ダイ”より”スペクター”
スタートからテンション上がる展開
ガンバレルシークエンスから始まる成熟したダニエル・ボンド!
やはりクールな良いラスト
脇役達の活躍が残念
アマゾンプライムで観賞。
前作「スカイフォール」はMI6の「M」を取り巻く二転三転する出来事が見ててスリリングなこともあって、多少の疑問はありつつも楽しむことが出来た。対して本作は確かにシリーズの恒例の序盤のチェイスシーン、女性とのロマンス、爆発を多用した派手な演出はしっかりと見せてくれてはいる。だがそこ止まりとも言える。正直ボンドの周りの仲間たちが全然魅力を感じないのが残念だ。具体的にはMI6(新M、Q、マネーペニー)の活躍がイマイチ。新MはCと口論ばかり、Qは頼りになりそうでなってない、マネーペニーは登場自体が少ない。その点「スカイフォール」は脇役の活躍はしっかりとできていたように思う。
ダニエル版「007」シリーズ個人的評価の序列は
スカイフォール>カジノロワイヤル>慰めの報酬>スペクター
やっと出てきたか!ブロフェルド!若干ファザコン
イギリス英語っぽくスペルがSPECTREとなっている。ghost、spirit、phantom、apparition、specter、と幽霊を表す単語は色々ありますが、各自調べてみてください。ちなみにデーブ・スペクターはspectorという綴り。そんなスペクターというタイトルにふさわしく、オープニングはメキシコシティの「死者の日」が描かれ、ジェームズ・ボンドがある人物を殺そうとしている。標的となるのは前任Mの遺言でも明かされるスキアラ。そして彼の手から指輪を奪ったボンドであった。
スキアラ未亡人となったルチア(モニカ・ベルッチ)から情報を得て、秘密組織へと潜入。ボンドは簡単に見破られたが、その首領というのが少年時代の養父の息子フランツだったのだ。その後マネーペニーと連絡を取り合い、『慰めの報酬』でも対峙したMr.ホワイトの居場所を突き止め、さらに彼の娘マドレーヌが巨大組織の謎を解く鍵となった。
単純にスペクターを敵として扱うだけなら単調になりがちだけど、この作品の面白さはMI6存亡の危機にあるという点だ。殺しのライセンスなんて無用の長物。世界中で情報網を共有すればテロの恐怖が軽減されるというMI5の方針があるのだという。そしてその責任者C=マックス・デンビーにも何やら不穏な動きが・・・
Qの発明品は今回もシンプルなもので、大きな音がする腕時計?と、これがやはりボンドを救う。さらにナノシステムによってボンドの位置がわかる発信器みたいなものを埋められる。Qはグッジョブ連発!頼もしい。
アクションシーンはオープニングのスタジアム上でのへり攻防戦、オーストリア山岳地帯での車と小型飛行機のチェイスなど見どころ盛りだくさん。過去3作もすべてスペクターに繋がっていたことにもワクワクさせられた。アクション以外でも「殺しのライセンス」は「殺さないライセンス」でもあるといった伏線が生かされていた。いや、それよりも腐った政治家たちもなんとかしてもらいたいが・・・
面白いやないかー!!
紛れもなくボンド‼️❓
007てこんな一見さんお断り作品だったっけ?
地上波でやってたから視聴
わりと前作見てること前提な話ですね。
この俳優さんの007初めて見たんですがシリーズ繋がってる感じですかね。
昔のボンドは初見でも楽しめた記憶がありましたが、コレは小難しくてイマイチですね。
終始目的がわからず、何と戦ってるのかイマイチわかんない。
おそらく今までのシリーズの解決編なんだと思います。わからないなりにもアクションシーンが凄ければ、「なんだかわからんが面白い」と感じるものですが、そこは解決編だけあって会話劇多めなので一見さんお断りだぞ。気をつけろ!
シリーズ通しで見ることをお勧めします。
次回作は、あまり前シリーズと関係なさそうなので見てもいいかなと思いました。
次回作は、とりあえずボンドは今作でエージェント引退して女性とチュッチュしてることだけ理解してればいいです
スカイフォールは良かったな〜
ちょっとやりすぎた?
【24作目】スペクター
【007】初期の展開へ、一旦リセットでスペクターとの因縁の対決。。。かと思ったらそうでも無く?想像と違い、少しだけ違和感。相変わらずのアクションではあるが、【スカイフォール】【カジノ・ロワイヤル】程の興奮には届かず。。。
何処と言われると難しいのだが、全体の感想としては若干不完全燃焼。作品時間も全体としては2時間超と長め。その割にマドレーヌとの関係性の深掘りも足りず、いきなり態度が急変な印象。ブロフェルドとの過去の関係性も明らかになるが、そのブロフェルドへの時間がもっと欲しかった。
自身の理解力の無さなのか、話の展開の早さに着いて行けず、??が浮かびながらの時間もあり。スペクターとの戦いが続くのかどうかも重要なのだが、ここに関しては今後に注目。折角の長尺の使い方が勿体無かった気がする。
と、タイトルからの期待値があまりにも大き過ぎたのでレビュー冒頭からマイナス面が出てしまったが、相変わらずのダニエルボンドが格好良い。特に今回はボンドがやられるシーンも多く、思わず目を背けたくなる場面もあり、ある意味で新鮮&大興奮。
宿敵ブロフェルドとの決着は個人的にとても気持ち良く。ボンドガール役レア・セドゥーも芯の強さを見せる演技、色気と魅力が素晴らしく、ドレス姿は正に『釘付け』になってしまった。
ダニエルボンドのラスト作【ノー・タイム・トゥ・ダイ】に向けて、作品の節目前と考えるとスペクターを題材にしたのは素晴らしい。
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