「お疲れ様でした。」007 スペクター こっこさんの映画レビュー(感想・評価)
お疲れ様でした。
ダニエル・クレイグ版シリーズの全ての敵が関与している組織スペクター。
その首領であるオーベル・ハウザーとの激突を描いた本作。
007シリーズに於ける宿敵エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドがオーベル・ハウザーな訳ですが
立て襟のジャケットを羽織り、目に傷を負って、スキンヘッドというのがシリーズのお決まりでした。
往年の007ファンの間で、対決を熱望されていたヴィランですが
権利関係の問題から、最近の作品での登板が叶わず、やっとのことで製作陣が権利者より買取に成功したということでダニエル・クレイグ版の最終作品にて満を持しての登場でした。
今回のブロフェルドは、名優クリストフ・ヴァルツが演じましたが、個人的にはボスキャラというより姑息な中ボスキャラというイメージの俳優さん。
彼が演じることへの違和感がすごかったですし、トレイラーを見ても坊主じゃない。傷もない。最後までこんな世界的な犯罪組織の首領がヴァルツに務まるのかなぁなんて考えてしまいました。
だけれどダニエル・クレイグ版ボンドは、やはりセクシーでかっこよかった。
無敵という訳でなく、とにかくやっとのこさの格闘シーンや、無謀な追跡などなど、変にヒーローしすぎてなくて等身大でよかった。
当初はダニエル・クレイグのボンドへの批判は、彼に決まった時点で噴き出る噴き出る、相応しくないだのなんだのとありました。
セクシーでスマートだった007シリーズのそれとは違い、ボーンシリーズに寄せたような現代にマッチした作風も批判の対象でした。
それでもこのスペクターの盛り上がり。まさに制作陣の粘り勝ちでしたね。
前作スカイフォールで、本来の007に戻ることを示唆していましたが、ダニエル・クレイグとのうまい具合にミックスされていてとてもよかったと思います。
しかしスカイフォールにしても、今作にしても最後の戦いがあまりにもチープ。
そんな決着なのかと拍子抜けしてしまう。
もっとギリギリでヒリヒリした対決であっても、いいんじゃないのかなぁと思ってしまいました。