「ブランドとポリシー」007 スペクター U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
ブランドとポリシー
それとプライドだろうか?
冒頭からバードマンを彷彿とさせる1カットから始まる。
そのくらい軽々とやってのけるよ的なメッセージを感じる。
そのオープニングから始まって、タイトルコールが始まるのだが…モチーフは「タコ」である。
日本では庶民的な生き物ではあるが、国によっては「悪魔」とも呼ばれる…こいつが、大いなる闇と威厳を醸し出すのだが、「タコ」だけに吹き出しそうになる。
だが、ブランド感満載で007の世界に誘ってくれる。一昔前の得体の知れないサスペンスを感じさせる。
馴染みの「タコ」だが、あれはホントに俺が知ってる「タコ」と同じ物なのだろうかと。
物語はワールドワイドで、とてつもない陰謀に007が挑んでいく。
その構築される世界観が見事である。
秀逸なのが緊張感である。
ドキドキハラハラってヤツじゃない。
命が危険に晒されるっていう、息を飲む緊張感の方。これをしっかり印象つける事によって物語がしまる。
確固たる悪の輪郭や危機感が浮き彫りになり、それを乗り越える主人公の強さと超人的なキャラに転換されるって寸法だ。
他のタイトルの追随を許さない。
なんの威信がかかってるんだと思うくらい妥協を許さない…そんな気概を感じる。
試行錯誤し、あらゆる事に注意をはらい、ベストなものだけをチョイスし、編集しました…的な完成度。
それはBGMもしかりであり、大音量で長い時間流れてるにも関わらず、全くドラマを邪魔しない。当然、ドラマを盛り上げてくれる。
久しぶりに映画らしい映画を観たような気になった。