「ダニエルボンドの完成形!」007 スペクター snake666さんの映画レビュー(感想・評価)
ダニエルボンドの完成形!
ダニエルクレイグのボンドもこれが最後かもって噂がある中での公開。本作はそんな噂もあってか、ダニエルボンドの集大成とも言える見応えのある大作になっていました。
ダニエルボンドの特徴としては、本作も含めた出演作4本がそれぞれ一話完結ではなく、ストーリーのつながったシリーズものであるという所でしょうか。したがって本作を充分に楽しむには「カジノロワイヤル」「慰めの報酬」「スカイフォール」の予習は必須、特に「スカイフォール」は絶対観ておかないといけません。
ゆえにボンドだけでなくサブキャラ達との絡みがさらに成長しており、味を増しているあたりも本作の大きな魅力で、物語に容易に感情移入できます。ただそれだけに、もしもこのキャストによるチームが最後になってしまうのならそれはスゲー勿体無いし寂しいと思わずにはいられない。そう思わせるほど今作でのボンド、M、マネーペニー、Q、タナーのチームの絆は深く魅力的になってました。
他にも本作の魅力としては、過去の作品を思わせる描写が所々に盛り込まれオールドファンには懐かしいと思わせる雰囲気が随所にある所ではないだろーか。
今回のすざまじいオープニングでのデッドマンパレードでは「死ぬのは奴らだ」を、ヘリコプターによるアクションは「ユアアイズオンリー」を、本編での列車内でのバトルは「ロシアより愛をこめて」「私を愛したスパイ」を、雪山での破天荒なアクションはロジャームーア時代を彷彿とさせるダイナミックさがあった。
そしてお馴染み秘密兵器装備のボンドカーもダニエルボンドでようやく登場。
WWEスーパースターのバティスタ演じる悪役も、ハロルド坂田、リチャードキール、ロバートショウらを思わせるバイオレンスぶり。
さらに遂に登場のブロフェルド。クリストフヴァルツアが見事に狂ったテロ組織の首領を演じており、後半傷を負った顔が「007は二度死ぬ」をも思い出させるあたりもファンにはたまらない。
こーした要素が一見真面目一徹なダニエルボンド作品にお祭り感を与えており、このバランスが絶妙でした。
そして忘れてはならないシリーズお馴染みの主題歌。今作のサムスミスの曲も最高!なんかオペラでも聴いてるような感覚になりオープニングから目頭熱くなりました。
とまぁ褒めまくりですが、つっこみ所もなくはないです。ボンドとマドレーヌがやっちゃう所も何か唐突だな〜とか、ダニエルボンドは仕事より女か?と思わせるとことか、いろいろあるにはありますが、でもこれがダニエルクレイグのボンドのスタイルなんだと、納得させるだけのエンターテイメントと物語がしっかりとありました。
007シリーズはスパイ映画の代表格だと、本作でまた大きな存在感を出しました!