「人間は自分の記憶を捏造する」白ゆき姫殺人事件 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
人間は自分の記憶を捏造する
いやあぁ。これ、まるで他人事じゃない話ですよね。
ネットやってると、SNSやってると、ツイッターやってると、タンブラーやってると、フェイスブックやってると、LINEやってると、身につまされる人、結構多いんじゃないですか。
殺人事件に巻き込まれるなんてこた、まあ中々ないでしょうから、そっちはアレだとしても、こう、あの感覚ね。バーッと拡散して収拾つかなくなっちゃう、あの感じ。実名が割れたら、写真やら卒業文集やらプロフィールやら交友関係なんかがズラーっとネットに公表されてしまう、あの怖さ。情報を受け取る側の人間もね、無意識に共犯関係結んでっちゃうでしょ。無責任にネットで有識者ぶって発言したり、ソース広めちゃったりね。
これね、僕らも知らず知らずで普通にやってるんですよ。やっちゃうんですよ。だからゾッとするんですよね。実体は明かされずにただただ虚構だけが独り歩きをしていく怖さ。片棒担いでるんですよ、僕ら。
気を付けましょうね。
それと、今回特筆すべきはやはり井上真央でしょう。この子、自分は今迄殆ど意識したことないんだけど、凄い女優さんだったんですね。決してブスではないし本人は寧ろ可愛い部類なのに、あの無個性というか控えめというかおとなしめというか、それを貫ける演技力に、もう感心しました。この映画、彼女が主演で正解だったと思います。
あと、無関係なのにただ引っ掻き廻す役の、綾野剛ね。あのスマホいじって年中ツイッターやってる若者。ああいうの居ますもんね普通に。彼も中々な演技でした。
う~ん、めちゃめちゃ楽しかったなぁ。久々に邦画でゾクゾクさせられました。
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