「これで最後だ!だ!だ!」トリック劇場版 ラストステージ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
これで最後だ!だ!だ!
TVドラマはあまり見ないが、この「トリック」は好きで見ていた。
最初から見ていた訳ではなく、第1期はレンタルで見て独特の面白さが気に入り、それ以降はリアルタイムで見た。
そんな「トリック」が遂に完結!
「劇場版2」の時から最後、最後と言ってた気もするけど(笑)、今回で本当に最後!(らしい)
最後と言っても、いつもと変わらないオープニングや始まり方や本筋は何だか安心。やっぱり「トリック」はこうでなきゃ!
違うのは初の海外ロケくらい。
お馴染みの小ネタお遊びネタ、ゆる〜い笑いも勿論健在。
ムッシュム・ラー村や村上商事…言葉遊びが楽しい。
「タ○タニ○ク」「ラ○フ・オブ・○イ」のパロディに思わず吹き出してしまう。
上田グッズや矢部のヅラネタはお約束。
山田が似ているアノ人気美人女優なんて、もはや自虐ネタ(笑)
これらお遊びネタは、レンタルリリースされたら、もう一度じっくり見直さなくては!
表向きは笑える作品だが、僕は、その笑いの陰にあるダークな部分やシリアスさが好き。
怪しい教祖とその信者は、実際にも存在しており、ただの笑い事ではない。
犯人の動機も、いつも哀しいもので、後味が悪いまま終わる。
今回はジャングルの奥地の村が舞台なだけあって、謎の呪術師と信者の構図はいつも以上に説得力があった気がする。
レアアース採掘の為に地元部族を虐げる企業の人間の傲慢もチクリと刺す。
ただ、真犯人と動機が驚くほど拍子抜けだったのは、ちょっと残念。
最後にこれ?…とも思ったが、ちゃんと相応しい“ラストステージ”が用意されてあった。
これまで数々のインチキ霊能力者と対決し、霊能力の存在を否定してきた山田が、霊能力者の存在意義を問う。
それは同時に、自分の体に流れる霊能力者としての血を認めた事にはならないだろうか。
TVドラマ第1期と同じ鬼束ちひろの「月光」をバックに、山田と上田のこれまでの活躍が紹介されるエンディングを見ていたら、本当にこの二人は、奇妙奇天烈だけど沢山の難事件を解決してきた名コンビだったんだなぁ…と、感慨深いものがあった。
そして、エンディング後の一幕。
TVシリーズ第1話を再度見ておく事をオススメする。
思わず、感動と嬉しさがこみ上げてきた。
山田と上田よ、さようなら。
14年間、楽しませてくれて、ありがとう!
(でも、本当にこれで最後なんだよね…?)