劇場公開日 2014年9月13日

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「これ見ずして日本のアクション語るなかれ」るろうに剣心 伝説の最期編 えらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5これ見ずして日本のアクション語るなかれ

2014年10月21日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

京都大火編(以下前編)をレビューしそびれたので少しこちらにも触れつつ感想。僕は京都大火編より今回の伝説の最期編(以下後編)が圧倒的に良かったと思います。

京都大火編は薫と恵にイライラしていた。特に薫、お前が敵に捕まらなければ何人の人の命が助かったことか。勝手に出てって捕まって助け待ちなんて自分勝手も甚だしい。人を活かす剣をひけらかしたいだけか。勿論後編でもお咎めなどあるわけはなく、そこは後編の気持ち悪い点でもある。アクションシーンのクオリティは一作目で保証されていたから安心して見られたけど、そこまで燃える展開もなし。全体に会話のシーンが多くて間延びしたイメージ。

で、今回の後編は女性陣の出番が大幅減。剣心を中心とした男たちの戦いに集中でき緊張感が持続して本当に良かった。剣心対多勢が2回、タイマン4回の大ボリュームも勿論過去最高で素晴らしい。タレント俳優の動きをスピーディーに見せるカット割りや工夫は相変わらずだけど、よく見ると長めの、刀を7〜8回やりとりするようなカットもあって二度驚いた。特に佐藤健、神木隆之介、伊勢谷友介の3人の剣捌きはすごい風に感じた。

志々雄役の藤原竜也さん、普段は舞台仕込みのオーバーな演技がネタにされがちですが、今回は顔が大半隠れていること、完全な悪役であることなど、役に大仰な演技をカバーする要素があり、素晴らしいハマり役だったように思えます。ナイスキャスティングです。あと剣心が志々雄を倒した後につぶやくあのセリフは漫画原作だから許されるカタルシスがあって嬉しい!

惜しむらくは前編から続く青木崇高演じる左之助や江口洋介演じる斎藤一の扱いの雑さ。左之助は一作目が一番良かった。斎藤は今回ようやくちゃんとしたタイマンが見られるかと思ったらうーん。まあないよりいいけども。

まとめると、「日本は海外に比べたらアクションダメだよね」なんて普段映画を見ない人にもありがちなフレーズだと思いますが、このるろうに剣心三部作見ずして日本のアクション語るなかれと言いたくなるような素晴らしいシリーズだったと思います。アクション監督の谷垣健治さん、監督の大友啓史さんに拍手。
作品自体の評価は☆4つ、日本でよくこれをやってくれたという感謝を込めて☆半分プラスです!

えら