「生きて貫く美学。」るろうに剣心 伝説の最期編 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
生きて貫く美学。
さすがの後編は、観応え十分!というほど斬り合いの連続。
もちろん剣心は…だけど、ま~見せ場がテンコ盛り!で息を
つかせぬ展開だった。原作コミックとはいえ、これだけ実写で
表現できれば大成功だろうな~と思う。
比べて申し訳ないが、ルパンの数百倍も楽しめてしまった^^;
前編は後編への繋ぎ…とばかりに静かな展開で、これは総てを
後編に持ってくるのだろうと思ってはいたが(原作は未読なので)
しょっぱなから師匠(福山)の続きが登場で二人の対峙から始まり、
ここでの奥義、とりわけ彼の言う一言に剣心ならずとも痺れる。
「どう死ぬか」ではなく「どう生きるか」を考えろ。
奇しくもこの日観たもう一本、「柘榴坂の仇打」でもまったく同じ
テーマが語られていたのに驚いた。
武士の精神を語る時「死」は避けられないワードなのだろうが、
潔く死ぬよりも耐え苦しみ生きることの方がよっぽど醜く辛い。
でも。誰かがそうしなければ世の中は何も変わっていかない。
国を救っても、自らが死んでしまっては元も子もないのだ。
十二分の魂の活力を胸に、剣心は志々雄一派の討伐へと向かう。
そこには彼だけでなく、蒼紫や宗次郎との決戦も控えていたが…
とにかく冒頭からアクションに次ぐアクション。疲れ果てたと
思われる剣心の顔がクローズアップされたまま、次の闘いへと
場面は変わる。相変わらず物腰は柔らかい口調のまま、闘志漲る
彼の動きと闘いぶりは圧巻だが、彩る敵役も誰も負けてはいない。
残念ながらその闘志にドラマは完全に負けてしまった感が否めず、
後半のもう〆なきゃ!的な終わらせ方には、やや口アングリ状態。
なんだ志々雄は…そうなるのか^^;
おそらくは削るところを大幅に削り、描くところを最大限に引き
延ばした結果なのだろうが、後半がやや萎み長丁場な気がした。
過酷な時代に生まれ、酷い仕打ちに利用されても、一人間として、
しっかりと正義を貫いたところに剣心の美学がある。
(私的には江口くんの斎藤一。大河の信長もカッコ良かったしな~)