劇場公開日 2014年9月13日

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「時代劇史に残る殺陣シーン」るろうに剣心 伝説の最期編 しゃにさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時代劇史に残る殺陣シーン

2014年9月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

映画としては京都大火編の方が上、でも、前後編の締めくくりとして素晴らしい出来だった。

★良かった点
・とにかく殺陣のシーンが素晴らしすぎる。時代劇の戦闘演出の歴史を塗り替えたと思うし、しばらくこれを超えるものも出てこないだろう。
・佐藤健はもはや剣心そのもの。身のこなし、表情など、彼の剣心としての演技に異論を唱える人はいないと思う。
・斎藤、蒼紫など見た目や戦闘スタイルにクセのある人物達もちゃんと原作の雰囲気を再現できていて、実写の不自然さがなかった。
・志々雄に至っては圧巻の一言。俳優陣の中で最も戦闘シーンが少ないにも関わらず、何ら違和感のない迫力の殺陣で圧倒的な志々雄らしさを見せつけてくれた。原作イメージよりも猛々しいんだけど、それがまた良かった。
・剣心が修行や師匠との戦いの中で大切な事に気付いていく過程の心の描写が丁寧でとても感情移入できた。
・由美の見せ場は演技力に期待していなかったのだけど、意外に良かった!由美がただのお飾りみたいになっていたので、ちゃんと二人の関係性を魅せてくれて満足。
・ラストの剣心のセリフと表情にはやられた…。

★不満点
・福山シーンが冗長。いい事言ってるっぽい上滑りな長セリフが多く、早く次の展開来い!と思ってしまった。もっとコンパクトに奥義会得まで魅せられたんじゃないか。
・どうしても蒼紫がただの空気読めない邪魔者に見えてしまう。演技が最高だっただけにもう少し扱いを良くしてあげてほしかった。
・薫が空気。前編では剣心の原動力となるほどの存在として描かれていたのが、後編でその部分の剣心の心理描写が減ってしまったせいで、いてもいなくてもいい娘みたいに。ただ、ラストで決めてくれたのでとりあえず良かった。
・左之助はドタバタキャラすぎると思う。オーバーアクトが気になった。
・薫、恵はやはりミスキャスト。
・宗次郎の扱いの軽さに失望。宗次郎が突然弱くなってしまって可哀想。安慈も酷い。あんなのなら出さないか、宇水くらいのちょい役にとどめておいて欲しかった。
・警察の一斉敬礼は引いた。

思い入れがあるだけに不満点が多すぎるんだけど、それでも、そのぶんを差し引いても、やっぱり最高の映画だと言いたい。
これだけ実写化が難しい物語をよくぞここまでのクオリティにしたなと思う。原作抜きに映画単体として素晴らしかった。
るろうに剣心を映画で再び楽しませてもらえたことに、心から感謝です。

しゃに