「新しい時代を生き抜くために!」るろうに剣心 伝説の最期編 ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
新しい時代を生き抜くために!
前作より張り巡らされた伏線の数々、一応、今回の作品でまとめ上げられたようには思える。個々の戦いもそれなりの完成度はあったと思うが、如何せん詰め込みすぎの感がなくもない。 やはり一人ひとりの抱える想いを描いてこそ、その戦いが生きてくるのではないか。
見た目には、派手で見応えのある戦闘シーンではあるが、そこに想いが感じられないことで薄っぺらな戦い、ゲーム感覚でしか味わえなかった。でも、魅力のある戦闘シーンであったことは事実であり、全体的には及第点として納得できて、作品自体は、大好きな一本です!
かっこいい剣心を実現させてくれてありがとう。まずはこの一言を言いたい。その上で自分的に不満な点を含めていくつか意見を・・・
【ラストにふれるネタばれもあります。要注意!!】
前作のレビューでも語らさせてもらったが、殺さずとは一体何なのか? 人斬り抜刀斎が殺さずの誓いを立て、逆刃刀を手に戦っている横で、警察官達が真剣で斬りかかっていくのが、今回も目についた。とは、言っても映画なんだから、一本の作品において派手なシーンを演出するためには仕方のないこととして(確か前作のレビューでも同じ事を書いたような)まぁ、許すとしましょう。
でもね、最後の志々雄との一戦は、ちょっと許しがたい。派手な戦いとして見応え十分ですが、戦隊モノじゃないんだから、大人数で一人をいたぶるのは、ヒーロー側としてどうも・・・。
最初の頃の一人ずつ戦っていくところまでは、まだ良かったんです。自分たちも傷つきながら上がってきたんだから、志々雄にもちょっとは不利になる部分があってもいいでしょう。最後には、剣心との一騎打ちでって思ってたら、なんでまた寄って集って・・・。おまけに、突然の蒼紫まで参戦しちゃって。
やっぱりこの部分に関しては、気持ち的にちょっと萎えちゃいます。
そして、あのラスト。まさかのプロポーズ? 2作品とうして、薫の位置がイマイチだったところへ持ってきて、これはどうなんだろう。
メインは、どう見ても派手な殺陣であり、薫と剣心のつながりは、おまけみたいに思ってたのに、いきなり最後で大々的に取り上げられても。 戦火の果てに、ほのぼのとしたラストシーンは確かに期待通りではあったのですが・・・いかんせん、これは。
自分的には、赤べこで笑いながらの鍋を囲んでってシーンを期待していたのですが・・・。
不満な点も多い作品ではありますが、自分の評価は、どれだけその作品が好きかってことなんです。
このカッコいい剣心は、何度も見たい一本です。