「チャンバラというよりアクション。」るろうに剣心 京都大火編 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
チャンバラというよりアクション。
スケールの大きい映画に仕上がった。
とはいうものの、脚本にやや難ありか。
初めから2部作が前提で作られていて、その1作目だから、ストーリー展開に難があるのはいたしかたないところではあるが、それにしても。
志々雄真実(藤原竜也)の企みがどうも浅い。
徳川慶喜が大阪から船で江戸に逃げ帰ったのをなぞるとか、あんまり意味がないのでは。
京都を火の海にするのもかつての志士たちが企てたのをなぞったとか。
大久保利通(宮沢和史)が、新政府の転覆だ、と言った時点で志々雄真実の目的は決まったはずで、もはや手段は二の次。京都大火がフェイクなら、もう少しやりようがあったはず。
薫(武井咲)が京都に行くのもいかがなものか。剣心(佐藤健)の足枷になるに決まっている。そこをクリアしないと無駄なエピソードになってしまう。四乃森蒼紫(伊勢谷友介)も今回は余計な人物にしか見えなかった。
そういったことを差し引いても余りある役者陣の頑張りである。
時代劇が衰退し、殺陣がきちんと継承されないおそれがあるように思っていた。
もちろん、様式なども大事なことだが、このシリーズで見せる各俳優の殺陣は、もはやアクションであり、いまの日本の若手俳優のアクションはなかなかに侮れない。
アクション監督の谷垣健治も素晴らしい。
佐藤健、神木隆之介のアクションはすごかった。
「伝説の最期編」で顛末を見せてもらおう。
コメントする