「剣心が目の前にいるッ!」るろうに剣心 京都大火編 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
剣心が目の前にいるッ!
熱いッ!いや熱いですねえ。
前作よりスケール感倍々で跳ね上がってるというか、何て言うんでしょ、邦画の規模をハリウッド並に持って行こうぜ!て気合というか気概というか、そんな勢いを感じました。
前回も思ったんですけど、これって連載時は自分もよく読んでましたが、少年ジャンプの人気コミックが原作じゃないですか。で、登場キャラクターも思っきり漫画的な個性が前面に出まくってるでしょ。その、エヴァンゲリオンっぽいキャラとか出てきたりして。実写に落し込む作業にあたって、そこの取捨選択というか、ここは汲み取ってここはバッサリ切るっていうチョイスが非常に上手いなと思ってたんですね。そして、今回もバッサリ行くでしょ。出さないキャラは出さない。要らない展開も入れない。物語の流れも大まかなあらすじは壊さずに、でも大胆に修正するというか。
それもね、恐らくは主人公緋村剣心の殺陣をじっくりと魅せる為だと思うんです。本懐は、メインはそこしかないよね、ていう。
やっぱ今回も尋常じゃなく殺陣が格好いいですわ。これを観に来たんだよ!てね。特に自分が一番燃えたのは中盤クライマックスの剣心VS瀬田宗次郎。これたまらんかったですよ!ハイスピードバトル!これカンフーって言っても遜色なくね?てぐらいにアクロバティックで!あれは熱かったですねえ。他にもね、もちろん沢山沢っ山、殺陣は用意されてるんですけど、あれが自分的にはベストバウトです(勝敗はアレですけど)。
配役もイイです。佐藤健の剣心はもうお馴染みで様になってるし、瀬田宗次郎役の神木隆之介君も原作からまんま飛び出したみたいだし、四乃森蒼紫役の伊勢谷友介はこれ彼の為の役だったんじゃないかってぐらいシャープだし。でも、今回、一番ドハマってたのは志々雄真実役の藤原竜也だったんじゃないでしょうか。彼の大仰な演技が今回かなり良い方向に転がってます。やり過ぎがやり過ぎじゃないというか、あれぐらいのテンションで丁度良いというか。
キャスティングもバッチリだと思いますよ。
しかし。ただ、ただですね。これ前後編の前編だもんですから、助走段階だからか、正直言って消化不良は否めなかったんですよ。クライマックスの盛り上がりもそんなにはなくて(ないことはないんですけども)。んー、だからこれを一本の映画で評価しちゃうと、ちょいとキツいかなーと。でも後編への橋渡しとして見れば完璧でもあって。そんな感じですかねえ。後編『伝説の最期編』でキレイに纏めてほしいです。
まあね、なんだかんだ言ってやってくれるんでしょう。バチっとキメてもらってね。キマるんでしょう。楽しみです。期待してます!