「あぁ、トモロヲ。」MONSTERZ モンスターズ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
あぁ、トモロヲ。
冒頭から観たことのないような描き方なので驚いた。
え?これ日本人監督だよね?あまり調べもせずに観たので
観終えてこれが2010年の韓国映画「超能力者」をリメイクした
ものだったことを知り、あーそうだったのか。と納得した。
なんかいきなり、本題!いきまーす!という感じで、
どうして「男」があんな能力を持って生まれたかも分からない。
(まぁこれは相手方もお互いさまなんですけど)
スゴイ目力!眼力パワー全開!藤原竜也がまた頑張っている。
この人はいつもこんな役ばかりで大変だな~なんて思いながら、
予告で何度も聞いた「だまれ、だまれ、だまれ~っ!」っていう
三度繰り返し台詞がまさに舞台的で似合ってるぅと思ったりして。
(普通三回も言わないでしょ)
さて、もうひとりのバケモノ(この呼び名をやたら使ってましたね)
山田孝之演じる田中終一さん。この人にだけ男のパワーが効かず、
焦った男が、田中を追いかけまわして殺そうとする、というのが
大筋。脅威的な治癒能力を持つ田中もまた、モンスター?なのね。
うーん…まぁつまりX-MEN同士が闘っていると思えばいいのか。
普通の人間は男に操られるばかりで、何の抵抗も出来ない。
トチ狂った男に次々と人々が殺されていき、耐えられなくなった
田中が男に最終対決を挑むのだが…。
面白い面白くないというより、ずいぶん変わっている(爆)
主人公二人はかなり頑張ってアクションをこなしているし、
おそらくああいう演出をされたんだろうと思う箇所がほとんど。
ただ脚本にかなりムリがあるというか、あり得ない設定が多い。
男が田中を追いかけ回すきっかけも、たまたま見かけただけで
勤務先まで殺しに行くか?相手に気付かれてもいないのに??
どこが今まで静かに暮らしてきたんだよ!ウソだろ、お前。と
盗みよりも殺人に手を染めてしまう男の描き方がどうも理不尽。
原版では、たまたま盗みに入った質屋に田中がいたんだそうで?
それなら納得できる。その方がしっくりこないかしら。
身体の壊疽、あの義足、痛々しいばかりで却って蛇足だった。
(二人の役者魂は素晴らしい。しかしトモロヲはあんまりだよな~)