そこのみにて光輝くのレビュー・感想・評価
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池脇千鶴最高!
暗いイケメンが特に何をするでもなくいい女をゲットする話は見ていてムカムカする。それというのもオレのようにへりくだってヘラヘラして結局何も手に入らない場合が多いからである。殊更悲惨な感じで売春といった境遇を描かなくてもいいのではないだろうか。売春婦は売春婦で売春婦の日常があり、それが普通になってしまう悲惨さの方がずっと根が深い。この映画のように貧困、寝たきり、介護、売春という負の連鎖を、さあ悲惨ですよね!と描かれると安全な場所から見物させられているようで居心地が悪くて、そんな表現はあまり好きじゃない。
池脇千鶴がイケメンと海に入って若い二人なのでたまらなくなってキスをして体を求め合う場面はうらやましかった。いいなあ。
うーん
原作を読んだ後に映画を見たので、原作と違うなーと思うところは結構あった。ただ、主人公の過去とかあえてかえる必要あったかな?と思うところも多々あり、多少違和感を感じながら見る事となった。
綾野剛と、池脇千鶴、あと拓治役の男性は凄いハマり役で良かった。個人的には拓治役はもっといかつい男をイメージしていたけど、映画を見てみると全然違和感はなかった。
ただ、面白いかと言われるとそこまでかなという印象。時間があれば見るのは良いけど、そこまで積極的にお勧め出来る感じではないかなと思った。詳説版も同じ印象。
内容としては、昔の作業現場でトラウマを負った男が函館で無気力に
生活しているところを、パチンコ屋で知り合った拓治とその姉とのかかわり合いの中で、生き甲斐を見つけ出すっていうような内容。
正直、そんなに目新しいようなストーリーではないけど、役者の演技が良いので見てみるのもあり
思いのほか、良かった
実は、賞を穫った事によるミーハー的遅れ鑑賞組です。
まずは、冒頭のカメラワークに興味をそそられ
綾野さん、池脇さん共にその演技に引きまれました。
中でも、最近注目している菅田さんも出演していている事をその場で初めて知り、改めて彼の演技を観て、脱帽でした。
暗く切ない話の中で、無邪気な明るさを織り交ぜて、暗い中にも少しホッとする様な部分も、見事に演技されていました。
それが、余計切なくさせる部分でもありますが、
そして、それも最後には……
レビューにはズレますが、菅田さんと、もう一人注目している若手女優の方が主演される映画もあるそうなので、この映画を観て更にその思いを強くしました。
泣いた
そこのみにて光輝くを観てから余韻が続いている。愛を求める姿が美しくてでも哀しくて。どんな場所にいても今いる場所から逃げたくないって思う。
個人的には底辺のクソ社長の『家族大事にしてたらなぁ、おかしくなっちまうんだよ!』で、すごい哀しくなった
池脇千鶴。
涙が出ないほど、なんか悲しいとかつらいとかじゃなかったんだなあ。
正直、前半は微妙だった。
なんでパチ屋で出会って家にいくのか
そしてなんで達夫と千夏は恋をするのか
(恋っていうと軽い感じでなんか嫌だけど)
そもそもなんなんだその家は。
そこまで性処理しなきゃいけないもんなのか。
風俗店で再会するとか偶然にもほどがあるだろ、しかも初対面のシーンからさほど時間経ってないし。
そこでキレたくせに達夫が謝りに来たらツンデレかよ、そして海水浴しながらキス。
もう意味不明。
流れが早すぎて唐突すぎてなんじゃこれ。
もしかしてハズレだったか。
って本気で思った。
でももう後半から引き込まれすぎた。
見終わってからなら、あんなよくわからないけど惹かれあった二人も理解できる気がする。
この作品では、愛してるとか、好きだとか、大切にするとか、一緒にいよう、そばにいるとか、そういう軽い言葉がひとつもでてこなかった。
お互いが知ることのない時間の映像のなかで他人を通して描かれ、ぶっきらぼうな言葉、表情、キス、セックス。
千夏の、どこまでも自分を犠牲にして家族を守ろうとする姿。
守りたいから守ってはいないだろう。
ただ、昔愛された記憶は消えないんだろうな。
特にたくじは、観ている私がとても愛おしく感じてしまう人間だったから、千夏もきっと弟を本気で守りたくて、あいつと一緒にいたのだろう。
池脇千鶴、本当に好きだ。
彼女以外で千夏役にはまりそうな女優は思いつかない。
あの美人ではない感じ、肉付きがいい感じ、スタイルが良いわけではない感じ
たしかわたしが小学生のときに太陽の季節というドラマで初めて知った
もう12年くらい前かな。
変わらず魅力的だ。
ラストシーンは息を飲む美しさ。
あの衝撃的なシーンからの、だったし。
そして映画タイトル。
こんなにラストが素晴らしいのなら
初めから真剣に観たのに、
という残念さから星4つ。
池脇が切なく可愛い
遠近法を強調した被写体の配置で、どの人物の感情にフォーカスしているのかを明確に表現した画面。光彩のトーンは、背景から射し込む光をデフォルメして、その場の登場人物の感情を表しているかのよう。画面の力が、セリフ以上に人物の感情を表している作品だと思う。
池脇千鶴がとてもいい女優になったと思う。
彼女の演じる千夏を含め、登場人物たちはみな社会の周縁で寂しさを抱えている。地方都市といえども、彼らの境遇や孤独を受け入れてくれる温かみはなく、大都市のようにその大きな渦にのみ込んでくれるわけでもない。千夏の不倫相手も、町の顔役であり、造園業者を営む経営者ではあるが、一人で会社と家庭を守らなければならない孤独からは逃れることができずに、千夏とのセックスに依存している。ここでは社会の誰からも見つめられることがなく、その中に居場所を見つけることができないでいる。
千夏の弟は、家族のために採石場で働く決心をする。
採石場の事故で部下を死なせた佐藤は、千夏たちのために、辛い記憶を克服して仕事への復帰を決意する。
そして、千夏は、寝たきりの父親を殺して、家族の負担を減らそうとする。
こうした彼らの新しい決意は、すべてが実現することにはならないのだが、そこには暖かな光の射す彼らの居場所が現れるのだ。
ラストの陽光の中で微笑む池脇がとても美しく可愛い。
家族って・・・むつかしいですね
綾野剛さんが見たいだけで 見に行きましが・・
見に行って よかったです。
家族って難しい・・と思いました。
家族って なんなのでしょうか?
妻は 自分の意思で 妻になるのだから あのような夫でも 受け入れるか受け入れないか・・決める事ができますが・・
娘・息子は決める事ができないしどうすることもできないですね。
捨てることができない。
どこから 狂い始めるのでしょうか?
貧困でしょうか?
無知でしょうか?
自分のためだけに生きて行けば もっと幸せになれるはずだけど、捨てられない「家族」
親が 子どもに本当に教えなければいけない事を 考えさせられる映画でした。
8,000円
8,000円の女のお話である。
仲介なく8,000円の女なのである。
この仲介なく8,000円、という金額設定がこの女の相当負のスパイラルな人生を物語ってはいる。
個人的には、今のところ、期待値に対しての落差の激しさという意味で今年のワーストにあげられる本作。
本作、すべてがテンプレでできていて、何のハズシも無いのである。要は、こんなん観たいでしょう?、こんなんショッキングでしょう?こんなん、綺麗でしょう?の寄せ集め。
登場人物も薄い、うっすい。話もうっすい。
貧乏なくせして、パチンコに行っているカス。とっくの昔の脳みそをやられている姉。この人らになにをどうしろっていうんですかね。
主人公がバカ女に惹かれたのは、決まっている、自分より不幸だからだ。
この姉弟の馬鹿さ加減はドラマの盛り上げのみのためだけの、実は何にも考えていないことがよくわかる。
何の役にも立たない、他人を苛立てるのに長けている弟は、ちょっと先が見えてんのに、後先考えずに、って、やくざ映画?
姉は愛を知ったら、その途端、これまで散々慣れ親しんだ社長さんのアレをギャー、ってどんだけバカなのか?
ましてや社長さんに殴られ、そのまま帰ってどうすんの?
百歩譲って、この愚行が、不遇な生活環境から生まれた負の連鎖、ってことにしよう。それと姉の父親に対するアレはなんの不遇なのさ?ただただショッキングでしょ?!ってしか作者は考えてないのよ、こんなん。
時間も長い、無駄に長い。演技もくどい。
この手の映画を見に来る人間に、底辺の人間のことなどしたり顔で語ってほしくはないのだが、その1,800円でどうぞ救ってやってください。
佇まい、匂い
達夫が千夏とはじめて会った時のあの瞬間。
ホテルで千夏と密会してたときの中島の尻。
食堂での達夫と交わす千夏の表情。
車の中の千夏の悲鳴。
そしてラストの千夏。
なんて凄い画なんだと思いました。
そして、うちの近所にも拓児みたいなのが今日もウロウロしています(笑
脱帽。
底光りの愛。
不遇の作家、佐藤泰志の同名小説を映画化した作品。
原作は読んでいないんだけど、監督が呉美保だったので、
何が何でも絶対観てやる!と思っていた作品。ナニこの時間?
と思えるほど酷い上映設定の中、無理を押して観に行ってきた。
結果。…大正解!
これほど役者とストーリーの力を映像表現のみで感じられるとは
思っていなかった。こういう作品は、もっと拡大公開して欲しい。
格差に喘ぐ貧困世帯が多くなっている現代の日本社会に於いて
笑いごとで済まされない話である。老人介護や風俗や肉体労働が
生活に与える影響はことのほか大きい。全ての若者が頑張って精を
出して働いても「働けど、働けど、我が暮らし楽にならず」が蔓延る。
とある事故で仕事に就けなくなった主人公がパチンコ屋で知り合う
のが、寝たきりの父・介護する母・夜も働く姉を持つ仮出所中の男。
演じる菅田将暉の素直で人懐っこいキャラクターがとても新鮮だ。
彼に感化され、その姉に心惹かれる主人公が自らの人生を立て直す
ために、彼らに力を貸したいと思う過程には共感必至なのだが、
世の中そうは巧くいかない。立ちはだかる様々な問題に彼らは左右
させられ、終いにはボロボロに傷付く。それでも大切なものは何かを
きちんと分かっている人間にとって、ここからが強いことが分かる。
彼らに共通しているのは、それでも生きていこうとする、
ずっと家族を支えていこうと粘る、直向きな愛ゆえの行動力である。
特筆に値するのは、綾野と池脇が結ばれゆくシーンの丁寧さ。
観客はここで、自身とパートナーとの行為を思い起こすことになる^^;
愛する人と抱き合うことがこんなに温かく、優しく、静謐であるのを
こういう表現法で描き切った監督の手腕はお見事で、それに応える
二人の演技もアカデミー賞クラスである。愛し合うとは、こういう
行為のことをいうんだよと、例えばこれからそれを経験する若い衆に
観てもらいたいと思うほどで(ホントに)伝わる描き方には涙が溢れた。
「大切にするよ」と軽々しく口にするんなら態度で示せ、が相応しい。
性的な表現が凄惨な描写を見せる場面もあるが、
どん底。を味わった人間は、あとは上に上がっていくしかないので、
何でもやってやる。請け負ってやる。怖いものなどない感覚がある。
自身の心持ひとつで、誰かを助けたり、愛したりすることもできる。
何はどうあれ、運命は拓かれている。彼らはきっとこれからもここで
生きていくのだろう…というメッセージが、光輝く朝陽の海辺だった。
(綾野、池脇、菅田、高橋、火野、伊佐山、田村、皆さん凄い名演技)
琴線に触れた。
チケット売り場で「始めがつまらない映画は最後までつまらないのよ、だから帰っちゃうわ」と得意げに語る人に、心のなかで「いやいや、そんなことない作品だってありますよ、おすすめ致しましょうか」なんて偉そうな態度をとっていたのですが、たしかに映画におけるオープニングは物語というフィールドに鑑賞者が降り立つ第一ポイントであって、そこでの直感はあんがい怜悧なものだったりして、そのままTHE ENDみたいな作品は多々あったなぁと本作を観ながら思っていた私ですが、ああ、まさか我の未熟さを知るとは。
ああ、自分の苦手なタイプの作品だ。と直感したのは『共喰い』(青山真治, 2013)の菅田将暉が出演していたのも起因するでしょうが、この間延びしたかのような尺の取り方や、気怠いカメラワーク、男と女の関係、家庭崩壊、またその周辺を謂わば修飾的に描く作風にうんざりしていたがためでした。
しかし、本作は、前半こそ起伏の無い物足らなさがあるものの、後半は「琴線」に触れた!その確かな想いがありました。
野方図に暮らす主人公がパチンコで逢った一人の青年へ火を貸したことから家に招待され、アルツハイマーの父、介護・性処理をする母、そして一人の女に出逢う。
登場人物が「何をしている人間か」つまり何の職に就いているのかは、漸次明らかになり、その方々で生活上の障害が見えてくる。働かなきゃ食えない、そんなの知っている。どんな類いの仕事でも生きるためにはやらなければならない。本望でなくても、稼がなくてはならない。水商売が何だか良く分からない価値観で以て非難されようが需要はあるのであって、金銭で清算されておしまい。
女は、ある社長の相手をして、その誼みから仕事を貰う弟の青年。
言うまでもなくこのような舞台で冷静沈着理性を携え続けるのは不可能ですから、私は、酒を浴びるように飲んで引火率を上げて、あたかも導火線のようなタバコに火をつける彼らがいつ爆発するのだろうと気が気で無い状態でした。ライターからする摩擦音、あれが非常に怖くもありました。
目には映らない燃え上がる炎を纏った身体に、毛布が被さって消火するかのように抱き合うシーンの数々。
性描写も、素直な表現で(もっとも一方の支配的性描写は憎々しい)、自然現象に映りました。
また、BGMは最小限に抑え、鑑賞者が当該シーンのより良い捉え方を見失いかねない際、ひとつのヒントとして旨く使われている印象を受けました。
『そこのみて光輝く』のタイトルからして、「光」を探してしまいがちですが、光とは例えば夜明けの太陽とか、本来自然界に存在する、私たちの「照明」でしょうから、物語を通じてはやはり自ずと見えてくる美しさに焦点を置くべきだと感じます。
ラストシーンの絶妙な朝日の入射角は二度と撮れない奇跡と言って過言ではないのでは。
私が、本作をどうしても評価したい、その要素の一つに「一人も死なない」ことを挙げます。純粋なドラマには傷こそ必要なときもありますが、人の死で物語を遮るのは、もう現代じゃ通用しないんじゃないかな、そう信じてやまないわけです。
そうして生きていくしかない女と、トラウマを抱えて生きている男。
この映画、たぶん、自分の人生を振り返ってみて、痛い思い出を抱えている人ほど、身に染みてくるのだろう。
光差す「そこ」を、健気に守ろうとする千夏が、愛おしくも狂おしい。
綾野、池脇、菅田、もちろんよかった。だけど、高橋和也がこれほどいいとは今まで気付かなかった。
浜辺で二人が佇むところで映画が終わる。即座に、あばら屋の壁に千枚通しで書き付けたような、痛々しく尖んがった字のタイトルバックがどんと出た。すっかり意表を突かれてしまった。
そのせいか、息を止めたようにエンドロールを見送りながら、例えようのない感情がこみ上げてきて、じわりと涙が流れてきた。
観終わってもまだ、佇むふたりの残像が脳裏にへばりついている。
判らない事だらけ
原作未読ながら、タツオは千夏の何に惚れたのか。哀れな女に同情してなのか?出会いからの2人の関係の発展にまず理解できない。
ライターのやりとりだけであの関係にまでなる男同士も判らない。
こういう事は、そういう人物です。では片付けられない筈で、唯一、頑張っても判るのは家族を護る為に生きる千夏のみ。植物状態の父にしたって、不労働の母然り、弟の面倒まで千夏が見ている。そこには彼女なりの家族への愛情があって、タツオがそれに惹かれるとしてもそれ以前の事だ。
彼が過去の自分との対峙の中で、彼女を救えるのかが問題なわけで、尚更彼女の何に惹かれ、如何に彼が突き動かされたかが無いと厳しい。
彼の素性が徐々に明かされてゆく展開が仇となった気がする。
体当たりの俳優陣に救われた作品かと。
菅田将暉がすごくよかった。
菅田将暉いいね。ほんとにいいね。これからが楽しみやわ。
エンドロールが特に気になったけど、文字とか人物の輪郭がぼやけてる映像だったんよね。あれは演出なのだろうか、上映の仕方なんだろうか?
お話は、千夏が切なくて苦しかった。水商売はまだしも、寝たきりの父の性処理なんて、考えられない…つらすぎる。
幸せになって欲しいけど幸せになれるイメージ持てないまま観つづけ、最悪のパターンとして中島がたくじをけしかけて、たつおを刺すとか予想してたけど、そうはならなかったのはほっとした。
他にも中島に千夏は殺されへんやろか?とか。けっか殴られてしまったけど…
ラストに、はっきりとした希望は、提示されなかったけど、2人は確かに微笑んだと思う。観ていた私は2人になんとか生きていって欲しい、生きてればなんとかなるよと祈った。
自分に対しては思えないのに、人には無意識に生きて欲しいと願ってしまう、この心はいかに?などとも。
あと、池脇千鶴のおっぱいに乾杯です。ジョゼから10年たってまたお目にかかれるとは、感激です。
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