すべては君に逢えたからのレビュー・感想・評価
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ケーキは君にもらうから。
東京駅開業100周年を記念して、東京版「ラブ・アクチュアリー」
を目指して製作されたラブ・ストーリーなんだそうだ。
そうか、何も知らずに観に行ったので、やたら東京駅が映る理由が
よく分からなかった。最後にどっかで繋がっていく構成でもないし。
う~ん…確かに作りは似ているけど、原版とはちょっと違うかなぁ。
各エピソードはありがちな話ながら、クリスマス群像劇といえば
こういう流れなんだろうと察しはつくので、ゆったりと観られる。
ただ、せっかくの物語が俳優の力不足(若手には仕方ないのか?)
で、勿体ない印象を受けてしまうエピソードも多かった。
群像劇は短いシーン内で観客にどれだけの印象を残すかがポイント、
その印象が「あのヒト演技がヘタだねぇ」じゃ、可哀想な気もするけど。
また恋愛モノが多い面でも、かなりの説得力が必要になってくる。
例えば二本目の「遠距離恋愛」では、木村文乃が演じた彼女が巧く
共感力を齎し出すため、相手方の東出昌大が、演技でも恋愛でも
あまりに力量不足なのがアリアリと出てしまった。確かにあれくらい
不器用な男(仕事と恋愛のかけもちで)もいるのだろうが、もう少し
彼女のことを理解してやれよ、彼女だってどれほど大変な仕事をして
いるか、きちんと見て労ってあげなさいよ、と可哀相に思えてくる。
特に仕事に下らないだの楽だのと、そういう言い方は止めるべき。
ただ、男はああいう心境の時(仕事に追われているなど忙しい時に)
ああして押しかけられると却って退いてしまうのはあるよな~と思う。
いっぺんに色んなことを考えられないからね、オトコって。
軸となる玉木宏のエピソードは、最後のオチが良かった。
あの男も神経質で嫌味な奴に見せかけて、かなりの孤独王者だった。
最も共感してしまうのはやはり年齢のせいか「ニ分の一成人式」で、
ベタな演出の中で、自分の子供に尊敬される親に自分がなれたなら、
その喜びは尋常では語れない。時任三郎と大塚寧々と共に号泣した。
ところで一体何の病気だったんだよ。。。
その他のエピソードはどうも尻切れ気味で、浅い印象が強い。
ラストの大御所、倍賞千恵子の駆け落ち話など、当時の東京駅が
思い起こされ本来なら感動が最高潮になるはずだが、そうならない。
49年前の切符…マニアにはどれほど感動モノか(いやそうじゃなくて)
色気より食い気。
クリスマス前に観ると気分が盛り上がっていいのでは、と思う作品。
(やっぱりケーキよねぇ。あ、あのお弁当もすごく美味しそうだったなー)
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