「保守化する未来」パージ yanpakenさんの映画レビュー(感想・評価)
保守化する未来
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イーサン・ホークは絵に描いたようなアメリカ的良き父親を演じる。子供も上流家庭の典型的御嬢さん、お坊ちゃん。犯罪がなくなる未来は古き良き価値観が定着する未来だという設定はストレートだが、新鮮さも感じる。
その代償としての何でもありの12時間の設定にはやはり、無理がある。暴徒が押しかける可能性があるならば、金持ちは私設の警備兵などを雇うはず。家族だけで戦う必要はない。何でもありの12時間を過ごすためには、いくらでも防御を堅固にする方法はあるはず。
結局、善意を当てにしている未来が描かれる。これも古き良き価値観のせいか?映画のストーリーは結局、人間の善意で命が救われるというのが基本。だから、未来も捨てたもんじゃないということなのか。
たぶん、人間の善意は何でもありの冷酷な暴力性と裏腹の関係にあることを示したい映画なのだと思う。それならば、殴って終わりという善意に満ちた終わり方よりも、殺す寸前まで暴力性を発揮してほしかった。
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