「主人公成長型の見守り映画」WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常 ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公成長型の見守り映画
青春映画に定評のある、矢口監督らしさが詰まった、
コメディ調でホロッとくる、ちょっといい話の作品。
チャラチャラというか、ナヨナヨというか、空っぽで薄っぺらい、
高校を卒業したばかりの主人公が、
ひょんな事から田舎で林業の世界に飛び込み、
半人前から一人前になっていく、
いわゆる主人公成長型の見守り映画。
物語の掴みとして、ポスターの長澤まさみ目当てで林業に入門する、
下心満載な不純な動機がまず、良い。
自分にも覚えがある話で、大学のサークル入部は、私も上級生の女の子目当てで入ったら、
ガッチガチに上下関係の厳しい体育会部活動で、
逃げ出したくなったあの頃を思い出し、
この時点で心掴まれる。
19、20歳の若造なんて、所詮こんなもんだよ、としみじみ思う。
伊藤英明みたいな、暑苦しく、めんどくさい先輩もあるあるだし、
光石研みたいな情の深い社長、
マキタスポーツみたいなムードメーカーで、凄いんだか雑魚なんだかよくわからない先輩も、あるある。
みんな個性的でジジ臭いけど、なんか優しくしてくれる。
自分にも、そういう年上の同僚に、支えてもらった時期があったから今があるし、
ジジ臭くなった今、自分もそういう善きオジサンになれたのかどうか、
自信もあるような無いような。
とにかく、登場人物みんな好きになる、清野菜名のチャラチャラした同級生以外は。
ラストもやっぱりホロリエピソードで泣ける。
良い映画を観たあとの余韻もある。
いいもん観た。ラッキー。
コメントする