「汎用性の高すぎる邦題」恋のときめき乱気流 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
汎用性の高すぎる邦題
リュディヴィーヌサニエはブレイクライブリーにも似ているが、とくべつなチャームポイントは右眉がつり上がっているところ。
ほとんどひと目でわかる。
左眉は一文字なのに右眉だけがへの字。この右眉が、笑ったり困ったりで破顔すると、とりわけピクンと上がる。完全に「への一もへじ」になる。すごく、いい。
万人受けするし、いわゆる同性にも好かれるタイプの人で、レイチェルマクアダムズの位置に似ている。ただ代表的作品がない。──ような気がする。
フランスでは国民的女優とのことではあるが、イザベルアジャーニやカトリーヌドヌーヴら大女優とも違うしレアセドゥのように米英へ積極進出してもいない。が、2020年現在40だが子役からのスタートでキャリアは長い。にもかかわらず、仏語圏かつ、これって映画がないので、こちらの認知度は、さほどでもない──ように思う。
わたし自身フランソワオゾンの映画に基づく00年代のイメージであって、じっさい見た映画はほとんどない。が、とにかくピクン眉が華やかで楽しい印象をもたらす。案外、趣味のいいアピールに使われてしまう顔なのかもしれない。サニエ好きを公言する芸能人を知っている。
このひとのばあい、笑った顔なのではなく、顔が笑っている。確実に陽気な役柄に合う。この映画はまあらしくはあったが、欧系のコメディを見ていると、やっぱ米英のラブコメにはかなわんなあ感──がつのる。なんというか笑いの質がつたない。ノッティングヒルの頃のジュリアロバーツのようなのをリュディヴィーヌサニエで見たかった。
ということを思って、はや20年である。
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