ウルフ・オブ・ウォールストリート : 特集
アカデミー賞主要5部門ノミネート&ゴールデングローブ賞主演男優賞受賞!
本作の3つのクオリティを、ゴールデングローブ賞投票権を持つ“選ばれし3名”が語る!
実在の株式ブローカーの回顧録を原作に、ダイナミックな成功とセンセーショナルな破滅をたどった男の姿を描く「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(1月31日公開)が、レオナルド・ディカプリオのゴールデングローブ賞主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)受賞に続き、アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞の5部門ノミネートを果たした。この、マーティン・スコセッシ監督とディカプリオの“最強タッグ”が繰り出す最新作のクオリティを、アメリカ(2013年12月25日公開)でいち早く鑑賞したゴールデングローブ賞選出権を持つ3人の日本人ジャーナリストが明かす。
■スコセッシ監督×ディカプリオが選んだテーマは──“カネで買えないものはない!”
5度目のタッグで完成度を増した“最高クオリティ”
「ギャング・オブ・ニューヨーク」「アビエイター」「ディパーテッド」など、数々の傑作を生み出し、現在の映画界で最高のタッグと呼べるこの2人──レオナルド・ディカプリオ×マーティン・スコセッシ。世代を超えてリスペクトし合う巨匠と名優が、今作「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で5度目のタッグ作を完成させ、強い絆を見せつけた。
「J・エドガー」「ジャンゴ 繋がれざる者」で、クセ者キャラクターの強烈な存在感を手にしたディカプリオが、「演じたくて仕方がない」と自ら映画化権を獲得した実在の株式ブローカーの半生を描く「ウルフ・オブ・ウォールストリート」。スコセッシはディカプリオの熱烈ラブコールを受けてメガホンをとり、アカデミー賞5部門受賞の「ヒューゴの不思議な発明」以来となる待望の監督作に挑んだ。
演技と演出、主演と監督それぞれが己の新境地を開拓してから再び相まみえた本作は、ゴールデングローブ賞で見事にディカプリオが主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞(コメディ/ミュージカル部門の作品賞にもノミネート)。さらには映画界最高の栄誉、アカデミー賞で、作品賞、監督賞(スコセッシ監督)、主演男優賞(ディカプリオ)、助演男優賞(ジョナ・ヒル)、脚色賞(テレンス・ウィンター)の5部門に堂々のノミネートを果たし、完成度を増した2人のコラボレーションの質の高さを見せつけている。
90年代、26歳で証券会社を設立、年収4900万ドル(約51億円)を稼ぎ出し、10年間の栄光の果てに36歳で楽園を追放された“ウォール街の狼”ジョーダン・ベルフォート。学歴もコネも貯金もないなかで、彼はどうやってのし上がったのか? 周囲を熱狂させ、人々の欲望を巨万の富に変えた能力は何か? そして、カネですべてを手に入れた男が頂点から一気に転落したのはなぜか? 破天荒かつモラル無視、見る者の度肝を抜く、すべてがエキサイティングな仰天・衝撃・驚がくのエンターテインメントが誕生した。
■これ以上の説得力はない!
アカデミー賞と並ぶ権威の投票者3名が語る、本作の『作品力』『俳優力』『監督力』!
1944年にスタートし、いまやアカデミー賞の前しょう戦として注目を集め、大きな権威を誇る「ゴールデングローブ賞」。その選定は、ハリウッド外国人映画記者クラブ(HFPA)会員の投票によって行われるが、同クラブのメンバーには、3人の日本人がいる。今回は、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」をいち早く鑑賞した、その3人のHFPA会員にレビューを依頼。作品力、俳優力、監督力の側面から明かされる本作の実力とは?