「「戦記」の言葉がしっくり来る、”死の世界のアリシア三人”」バイオハザード ザ・ファイナル 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)
「戦記」の言葉がしっくり来る、”死の世界のアリシア三人”
総合して面白さは『Ⅰ』『Ⅱ』には及ばないし、おそらく『Ⅴ』よりも劣る(『Ⅲ』『Ⅳ』にはギリ勝ちか…)。それにすっかり引く手あまたな「3D映画」としても、つい最近の『スター・トレックBEYOND』同様不満だらけ。画面暗すぎ、カメラ動きすぎ、1カットが短すぎて、この日見たのが「2Dモード」で助かったと心底思った(『ジェイソン・ボーン』の爪の垢を煎じて飲ませたいぐらい)。
それに結局本シリーズの無駄遣いは消えなかった。『Ⅳ』『Ⅴ』の中島美嘉はまだ奮闘していたが、最終章のキャスト・ローラは誰得感が半端なかった。モブのキャラクターにしても、あっという間に死んじゃうキャラがもうポロポロ溢れてるのに、無駄にキャラの登場場面を割いちゃってるのがやっぱりどうも、見たくないのにアンダーソンのツメの甘さが露呈しとる。特に女優ルビー・ローズは『ジョン・ウィック2』のメインキャストよ?あんな使い方&死に方ってどうなの?
ただ唯一良かったのは”謎への答え”とキーマン”アリシア”。中でも後者は本シリーズの見方を変えてしまうほど、少し切なくさせられる”家族愛”に満ちてました。そう、今回キーは”家族”!というより本シリーズは”アンブレラ社”と”戦士アリス”と、一人の少女”アリシア”の言ってしまえば「戦記」です。『スター・ウォーズ』程ではないけど。
まあ律儀に本シリーズを映画館でしっかり観てよかったな、とは断言できます。ただ質は落ちてることをあしらからずで観てください。