劇場公開日 2016年12月23日

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「終わったけども」バイオハザード ザ・ファイナル マトレーさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5終わったけども

2016年12月24日
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鑑賞方法:映画館

良いところを先に言っておきます。
主人公アリスのアクションです。
ミラ・ジョヴォヴィッチのバイオハザード最後の勇姿にふさわしいアクションが観れます。
どんなアンデッドと戦ってるのかイマイチ分からないシーンがあってそこはもったいないです。(自分自身ゲームシリーズには疎くてどんな敵キャラがいるのか把握してないので)
緊張感を煽る薄暗さや臨場感演出の手ブレ撮影はこのシリーズに必要だと思うのでせめてカット割りで観やすくしてほしかった。
飛行型クリーチャーはこのファイナルを象徴するキャラクターの1つだと思います、それくらいのインパクトがありました。

良い点はここまで。
アクション以外は全てにおいて酷い。
シリーズ通してここに繋げてきた意味が全くない最終作となってます。
キャスト発表の時点で分かっていたことですが、前作まで共に戦ってきた生存者たちが今作で軒並み登場しないという。
ゲームが原作となっている作品なので、ストーリーが無いのは仕方がないことではあります。
だからキャラクターが立たないと面白くないし、これがシリーズものとなれば前回までの登場人物は最低限出さないと。
この最終作にはそれがまるで無い。
シリーズとして繋がってない。
それが観ていていちばんキツい。
繋がりの他にも、アンデッドとの戦争の終わらせ方というところもシリーズ最終作として重要な役割でした。
重要な役割だったのに、そこも納得のできる落とし所だったとは言えないです。
大体あの終わらせ方なら6作もやってきた意味が無い。
今作のスケールの点でもショボい。
感染が始まった場所で終わらせるというのはアイデアとして普通にアリとは思うけど、それにしても閉鎖的過ぎます。
あれなら前作ラストで辿り着いたワシントンD.C.、ホワイトハウスでの攻防を描いた方がまだ最後に相応しかったと思います。
さらにはラスボスも今さらという感じ。(そもそも強引な辻褄合わせで興醒め)
一応決着はついているんですが、この『ザ・ファイナル』のみの終結のさせ方のような感じでカタルシスを全く感じませんでした。

結果、Ⅳくらいで終わっておけば良かったと思います。
前作からの4年間期待を膨らませていた分、観終わった後の失望と怒りも一入です。

マトレー