「乗客を適切な駅に降ろせているだろうか。」親密さ 花火さんの映画レビュー(感想・評価)
乗客を適切な駅に降ろせているだろうか。
演者の誰もが鮮烈な中、劇作家を演じる佐藤亮の声が染み渡る。発せられる言葉もまた、この声にどこまでも的確なのが良い。第一部終わり間際の長回しは真に驚愕で、歩く平野鈴と佐藤亮/側で流れるライトを灯した車/やがて明けゆく空、そして包み込む二人の会話と、未体験で、それでいてあまりに映画であるとしか形容しようのない。
映画の最後を彩るごく短い挿話は、第一部で繰り返された詩に相応しい内容で、反復された動きに胸が締め付けられる。
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