劇場公開日 2013年9月20日

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「今までと趣が違うヴァンパイア・ムービー」ビザンチウム マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0今までと趣が違うヴァンパイア・ムービー

2013年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

お互い、ヴァンパイアになった時から歳をとらなくなっているので姉妹にも見えるクララとエレノア。
エレノアを演じるシアーシャ・ローナンは、独特の瞳の色で、哀しい運命を背負った少女にぴったりだ。
クララのジェマ・アータートン。この人ほど役によって印象が変わる女優はそうはいない。品のある美人に見えたかと思えば、次の作品ではソバカスも隠さずその辺のアバズレになっていたりする。汚れ役も厭わず、とくに女優の生命である顔が誰だかわからなくなるぐらい血みどろな役でも平気でこなす。

この二人が、なぜヴァンパイアの道に足を踏み入れたのかが物語の核となる。
いっぽうで、一般的なヴァンパイア映画とは趣を異とする設定が目を引く。
太陽や十字架を怖がらず、日常生活を送る上で必要なお金を稼ぐ現実的な一面を見せるところが面白い。しかも彼女らに噛み付かれてもヴァンパイアにならない。200年生きてきたという設定では、その内容から「ぼくのエリ 200歳の少女」に軍配が上がるが、ヴァンパイアの常識を覆した点は目新しく評価できる。

これでタイトルの「ビザンチウム」がもっと活かされていたらよかった。古代ギリシャで植民者の手によって建設された都市と同じ名前をもつゲストハウス。ここを舞台にしてはいるが、映画の内容からいうと別にどんな名前でも構わない。「ビザンチウム」でなければならない理由付けがはっきりしない。

マスター@だんだん