劇場公開日 2013年9月20日

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「ぼくのシアーシャ 200歳の少女」ビザンチウム 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ぼくのシアーシャ 200歳の少女

2016年2月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

萌える

放浪生活を続ける少女エレノアと母クララ。二人にはある秘密があった。それは…

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」以来となるニール・ジョーダンのヴァンパイア映画。
「インタビュー~」で妖しくも美しい全く新しいヴァンパイア映画を作り上げたジョーダンが再び、儚くも美しいヴァンパイア映画を創造した。

まずはその映像美。
寒々とした空虚感、現代社会の疎外感、200年も生きてきた孤独感を表すのに充分。
太陽も効かない、十字架も効かない、血を吸われてもヴァンパイアにならない、鋭い爪を伸ばして血を吸うヴァンパイア像が新鮮。

ミステリアスなだけで、正直怖くはない。
終盤、クララをヴァンパイアにした集団が現れるが、アクション要素は皆無。
現代パートと過去パートが交錯、淡々と進み盛り上がりには欠ける為、見る人を選ぶ。
ホラーファンには大きな肩透かしかもしれないが、本作で描かれるのは愛のドラマ。

エレノアはある青年と出会う。
関わった者を生かしておいてはいけない、という掟に背き…。
それを許さない母クララ。全ては自分たちの為。
自分をヴァンパイアにした集団の魔の手が迫った時も娘を守ろうとする。
少女の切実と、奔放に見えて激しい母の愛が、静かな中に語られる。
ヴァンパイア映画の形を借り、少女を主軸にした、異色の繊細なティーン映画でもある。

肉感的な母ジェマ・アータートンもいいが、やはりシアーシャ・ローナン!
金髪蒼眼、透き通るような白い肌。
口の周りを真っ赤にして血を吸うシーンは何処か官能的。
白いシアーシャと赤い血やフードの色彩も印象的。
「つぐない」の女の子が本当に美しく成長した。
例えシアーシャに血を吸われても後悔しない!…かも。

近大