「難病ものの紋切型ではない。ひねくれ者も必見。」ぼくたちの家族 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
難病ものの紋切型ではない。ひねくれ者も必見。
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ありがちな難病もの、家族ってすばらしいってでかい声でゆうだけの物語って大嫌いです。
この映画はそうではなく、そういった紋切型から距離をおこうと努めたであろう人物像、役者の演技、そして演出が功を奏し、ひねくれ者の心にも届く、素晴らしい映画でした。
家族の再生、ではなく、母が必死で取り繕ってきたハリボテ家族を、母を失うかもしれない危機に瀕して始めて男たちが家族になろうとした話だと理解しました。
若菜家はもともと機能してなかったんだろうと思うのです。ただ母が、ダメで勝手な男たちを愛していたが故に、ハリボテであっても形を保っていられただけで。
父はほぼ役立たずでしたが、兄弟は頑張りましたね。おにいちゃんも、おとうとも、どっちもダメなところは残っているけど、それを忘れてもいいかもと思わせる成長ぶりでした。
特におとうとくんが、手術のあとで泣き崩れる場面はよかった。
その場面は、父も兄も弟もないていたのですが、涙を写してなかったです。顔のアップさえないシーンでした。
それが余計に印象的でした。ぐっとくるものがありました。
妻夫木くんは、元からいい俳優だなーなにやらしてもいいなぁ、と思ってましたが、今回もよかった。
何より池松くんが、よかった。彼もいろんなタイプを演じ分けられるいい俳優さんですね。愛の渦を見逃したことを改めて後悔ですね。
石井監督、舟を編むに続いて良作を発表されましたね。バンクーバーの朝日も楽しみにしています。妻夫木くんと池松くんもまた出るしね。
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