「不覚にも、涙が零れました。」ぼくたちの家族 たくっちさんの映画レビュー(感想・評価)
不覚にも、涙が零れました。
初めて出会う、家族の物語。
でもいつか出会う、真実の物語。
パンフの表表紙のメッセージですが…
いやまぁその通りだなぁと。
もし起こってしまえば、避ける事のできない
それでも、どこの家族にでも起こりうる出来事だと思います。
今自分もちょうど息子世代なのでね。
自分に重ね合わせて観ていました。
ストーリーは作品情報そのまんまなのですが
義務感とプレッシャーに苛まれ、言いたい事を言えずに
いつも我慢している様な面持ちの浩介と
気持ちを隠すこと無くストレートに言葉にし
どこか少しおちゃらけた雰囲気の俊平。
このまるで対極にいるような二人の兄弟像は
まさしく何処にでもいる兄弟そのもの。
そんな雰囲気を醸し出しています。
その二人を演じた妻夫木聡と池松壮亮。
池松さんのほうは最近別の作品を観ていたので
雰囲気は何となく分かっていたのですが
妻夫木さんに関しては、正直爽やかなイメージしかなかったもので
こういう、いつも苦虫を噛み潰したような雰囲気の演技はかなり意外でした。
でも素晴らしかった。
あることを契機に兄は吹っ切れ、弟を巻き込んで「悪あがき」をしていくのですが
ここからの子供二人がメインで動いていく様がまた観ていて素晴らしい。
(男三人とありますが、お父さんは家族の為今まで以上に仕事を頑張る様がちょい役として描かれるだけです。
それでも十分なのですが…お父さん役の長塚さん不憫。)
どちらかというとお父さんは見守り役になるのかな。
お互いを気遣い合う兄弟。やっぱり家族だねぇ。
そんな悪あがきの行動に、やがて転機が訪れ
クライマックスに繋がっていくのですが…
最初の居酒屋では三人がどこか違う方向を向いていて組めなかった円陣。
それが物語の中で同じ方向を向き
最後には感情を吐露しながら、中途半端な形でも組めた円陣。
ここで不覚にも涙腺決壊。
いい大人が…スイマセン。
やっぱり家族は
お互いにとって親であり、また子であり
また伴侶であり、兄弟なんだなぁと。
家族っていいなあ。(人並み感)
騙されたっていいんです。
素晴らしさを再実感できるのなら。
最後に。
池松さん美味しい役どころだったよなぁ。