「どんな家族も不完全。」ぼくたちの家族 ma_ya_24さんの映画レビュー(感想・評価)
どんな家族も不完全。
エンドロールで「えっ、もう終わり⁈」と思ったくらい物語にひきこまれた。
母の病気をきっかけに、バラバラだった兄弟父が再び結束して奔走するストーリー。特に兄弟二人のキャラクターがとてもいい。
弟は、チャラく振る舞いながらも兄がまた自分一人で家族の問題を抱え込んで壊れちゃうんじゃないかと心配している。
兄は、調子・要領よくて親にもより可愛がられている弟が羨ましく妬ましくもあり、でもすごく頼りになる奴だと認め始める...。
父は亭主関白風だがいざとなるとてんで役にたたずw
兄か弟かおおまかかに分ければ性格や行動パターンの特徴は万人にあてはまりそうだから、人によってそれぞれのキャラに感情移入してしまうと思う。
長男の嫁役・黒川芽以ちゃんが「自分も長女なので兄の方に共感しながら、役としては現実をつきつける役なので、客観的に家族の問題をみながら演じた」と言っていたけど、わたしも長女なので同様に感じた。
兄の不器用さに共感しながらも、自分の短所を見ているようでもどかしく...。
だけど、最後の兄・弟の姿はどちらもかっこよくて清々しかった。
「完璧な家族なんていない、でもそれでいい」
舞台挨拶で妻夫木くんが言ってた言葉がすべてかも。
子どもは反抗したりしながらもやがて親の手を離れて成長し、いつか親を心配する側になり、親の気持ちを考えられるようにもなり。
きょうだいは時にライバルでありながら、ピンチの時は助け合う仲間となったり。
そんな風に助け合える素敵な家族像に、自分が育った家族やこれから築く(かもしれない)家族のことを重ねて考える。いつの間にか泣いていて、でもけしてじめじめせずに笑えるシーンもあって、鑑賞後の満足度は◎でした。
感動!というより、じんわりとあたたかい気持ちになれる映画です。