折れた矢のレビュー・感想・評価
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権力に絶対に屈しない姿に感動。社会派で有名な監督
韓国で社会派映画で有名なチョン・ジヨンが監督。
韓国は民主主義を市民が権力と闘い勝ち取ってきた歴史があるから、映画やドラマにもそういう社会派の作品が多いが、これもその一つ。
特にこの映画は李明博大統領時代の話。
映画が発表された2013年は朴槿恵大統領時代だ。
李明博と朴槿恵は、メディア統制し圧力をかけ、大手メディアの社長やプロデューサーやディレクターなどを大量解雇し、政府にいいなりの犬に替えたことで悪名高い。
(それについては「共犯者たち」というドキュメンタリー映画をみればわかる。
またドラマ「HUSH」もその話である。)
李明博と朴槿恵は自分たちが気に食わないメディア業界の人達をブラックリストに入れて監視していた。
ソン・ガンホも2013年の映画のせいでブラックリストに入ってた。
そんな暗黒時代に発表してこの映画はすごいなと思う。
正義感ある大学教授が陥れられ、警察、司法、検察と闘い続ける。
以前は労働デモで機動隊と闘っていたがダメになってた、労働専門の弁護士が教授の弁護人となり二人で権力と闘う話。
裁判で裁判長や検察や警察が証拠を捏造してまで圧力で強行するが、憲法や刑法に照らし合わせ次々と論破していく教授。
裁判長がやってることは独裁だ。司法も検察も憲法違反で告発すると。人権侵害をするなと。
孤立無援だったがメディアや市民が司法や検察の方がおかしいと怒り、教授たちの応援にまわっていくところが韓国っぽかった。
権力者が権力や権益やメンツを守る為に国民を脅しだまして強行してしまうのはよくあることだ。
だけどそれに声をあげ、どんなに権力で脅迫され口封じされようとも戦い続けるのは大変だ。それは日本の私たちもわかってるのではないだろうか。
クロスボウ事件
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