「しゅらら・・・ぼんだな」偉大なる、しゅららぼん SCARSさんの映画レビュー(感想・評価)
しゅらら・・・ぼんだな
本作、「偉大なる、しゅららぼん」は「鴨川ホルモー」や「プリンセス・トヨトミ」で知られる作家・万城目学の小説を映画したものである。
内容は滋賀県の琵琶湖を中心に語られ、その琵琶湖に「湖の民」として2つの一族が長い争いをしていた。その末裔である日の出家の涼介(岡田将生)と淡十郎(濱田岳)と棗家の広海(渡辺大)までその争いが続いていたがある時同じ力を持つ者が現れ琵琶湖から出ていけと言われる・・・
本作の原作については全く知らず読んでないのでフラットな気持ちで観ましたし、内容については原作を知らない人も入り込める内容になっている。
しかし、この映画を観て久しぶりに何の作品・・・というか何を主に感じて観て欲しかったのか悩みました(笑)
なぜなら、最近の流行というか多い能力者系の話であるのに能力を使うシーンはほとんど音(能力者のみ聞こえる)が中心で能力者同士の戦いに面白味があまり感じられない。
力や権力に縛られる者は己を滅ぼすため無意味な争いはやめるべき・・・みたいなメッセージだとすれば少し弱い気がするし。(メタファー的には反戦?)
じゃあ、コメディー調かといえばそこまで笑いには力を入れておらずこの映画のジャンルはどこに入るんだろうとか考えてしまった・・・
逆を考えれば凄く新しく、作品を観た人によってジャンルは異なるものになる
良かった点は、淡九郎(佐野史郎)と濤子(貫地谷しほり)vs速瀬(村上弘明)の戦いシーンであの妙で変な不気味さが漂う空気の中でスローやストップを用いた演出は迫力があり面白かった。
また、岡田将生の安定さは置いといて棗広海役の渡辺大がオーラがあってなんかよかった。
悪い点は、濱田岳をなんか活かしきれてない気がした・・・(例えばゴールデン・スランバーのキルヲみたいに良さでてない)
あと、内容については前述したことが悪い点に多く含まれるし挙げるならヒロインの使い方がいまいち。
最後に黒幕の印象が弱いしオチも微妙だと思う。湖の位として琵琶湖がどの程度かわからないが少なくと他の湖の能力者なのだから戦う呈は欲しかった。
原作者の万城目学さんの作品は実在の事物が多く登場して非常に作品の内容に入りやすく面白いが本作の映画に関しては観る人によって感じ方が割と大きく違うものだと思う。
なんにせよ映画館で一見の価値はありです!