「911のオペレーターが誘拐された少女を救い出す荒業とは…!?」ザ・コール 緊急通報指令室 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
911のオペレーターが誘拐された少女を救い出す荒業とは…!?
911にかかってきた誘拐された少女からの助け。
女性オペレーターは電話だけで少女を助けようと奔走する…!
ハル・ベリー主演のサスペンス・スリラー。
冒頭、いきなり凡ミスをしてしまうヒロイン。
トラウマを持たせる為に必要な伏線なんだけど、プロのオペレーターとしてはあるまじき行為。
オペレーターの実情なんか知らない自分でさえ、それはアカンでしょ、と思ったし。
「セッション9」「マシニスト」のブラッド・アンダーソンがこんなチープなサスペンスを手掛けたのか?…と思ったら、アビゲイル・ブレスリン演じる少女が誘拐される本筋が始まったら俄然面白くなってきた。
パニックに陥っている相手を落ち着かせ、冷静に情報を聞き出す。
誘拐された自身の名前、犯人の特徴、現在地の手がかり…。
手遅れになったら最悪の事態に。
少々似た設定の「セルラー」と同じく、サスペンスが盛り上がる。
911のオペレーターの仕事は何とハード。
対応は勿論、劇中でも言っていたが、事件は解決したか、犯人は逮捕されたか、被害者の安否は?…一切知らされない。
感情を切り離し、やるべき事をやるだけ。
一つ一つ気にしていたら、とてもじゃないけど務まらない。
とは言え、人間。そのストレス、いや、すり減っていく神経はいかほどのものか。
人の生死と対した時の看護士が頭をよぎった。
居場所のヒントになる為に走る車のトランクの隙間からペンキを流したり、トランクから後部席へ抜け出て外部に助けを求めたり、犯人に気付かれたら危ないじゃん!…などなどツッコミ所、ご都合主義は多々。
しかし、キャストの熱演・怪演も相まって、緊迫感充分、なかなか飽きずに見れた。
終盤、ハル・ベリー演じるオペレーターが自ら犯人が潜伏してると思われる場所へ赴く展開はいかにもサスペンス映画的。
衝撃はラストのラストにやって来た。
犯人は逮捕され、誘拐された少女は無事救出され…なんて予定調和のオチではなかった。
非人道的でもある。
が、自分たちを苦しめた犯人には自分たちで落とし前を着ける。
その所業、犯人より怖ッ…((((;゜Д゜)))
でも、スカッと♪