劇場公開日 2013年9月28日

「映像は面白い、内容は心底くだらない。」劇場版「空の境界」未来福音 水樹さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5映像は面白い、内容は心底くだらない。

2013年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

映像と音楽は物凄くお金がかかっている印象で、
アニメ作品としては群を抜いていると思います。
ところどころベッドのサイズが異様なでかさだったり、
構図として変な点もありましたが…。
音楽は凄く綺麗で好きですが、アニメ調がかなり強いので、
あまり一般受けはしないかな?

作品の内容としては、作者が学生時代に考えた作品ということも
考慮して、まぁ文化祭の学生が書きそうなないようかな?っと。
Extraのほうは、正直中二病まっさかりみたいなやりとりを、
大した人物描写も無く延々と聞かされるという苦痛。
そもそも複数の人間を殺してる人間がしたり顔で何を淡々と
上から目線で話してるんだ?っていう感じだし。
主人公の女の子も、頭のネジ緩すぎだろ…っと言う感じで、
自分の世界に浸ってて精神的に何か病んでるの?という印象。
ライトノベルなんかにありがちな自分浸りの登場人物に
延々と持論と自分を語られる。う~ん、なんでしょうね、
あと主人公に対するキャラ萌えを入れられて、
製作側の考える面白さを延々押し付けられる感じ。
タイプムーン系のノリなんだと思いますし、
ファンの方には面白いんでしょうが、なんか延々と身内ノリなので
単純に作品を見に来た人にはつまらないの一言ではないかと。

本編のほうは「未来視」に対する作者の考えた
「僕の考えた未来視」語りが始まった時点でげんなり。
もうその後の展開が目に見えてしまうんですよね…。
「未来視」に関しても、オリジナリティや独自の
考察があるものではなく、どこにでもありがちで、
過去に数えきれないほどやられている"設定"を
僕凄いでしょ!みたいな感じで延々語られるつまらなさ。
もともと作品自体が作者の脳内世界的な要素が強いので、
もうこの時点で作品の面白みである「事件」に対して
どういう風に「展開」するか?っという楽しみが
ほとんど0に近くなります。
あとはFate、月姫同様、いつもの作者の考えた
神様的権威のある主人公が、現実の定義を超越した作者の世界論で、
ご都合的な「処理」を行って作品が終るのは目に見えていますしね。
正直作品の内容に対しては考えるだけ無駄かと。

まぁ本編に対する外伝的なポジションの作品なので、
単純な作品としての面白みはほとんどないのは仕方ないとは思いますがorz
伏線の回収や本編に対する補助的な面もありますが、
それも最初から評価される場所に対して重点的に演出をしてるだけで、
そのほかの部分がペラペラのスカスカになっている点が気になって
どうしてもそっちのほうに目が行ってしまう…。

そもそもヒロイン的ポジションで現れた女の子も、
結局、この世界における「予知能力」に対する説明と、
今後の展開に対する言い訳みたいな印象しか受けないので、
正直見ていてげんなりしますし。
結局「私かわいそうでしょ?」みたいなことを延々語り、
自分から何かを変革しようとも思わない。
主人公が当たり前の返答をすることで、
あっさり心を変えてしまう…。
正直、彼女の「異能」を抱えた人生って、
そんなに薄っぺらいの?みたいな印象。

敵役のほうも「理想を現実化するための手段」ということは、
本来自分で「選択」を行っているわけだから、
なんか「能力」のせいで人生強要されているみたいな口調ですけど。
結局のところ「自業自得」だし自分で考えて、
自分の都合の良いように生きているだけであって。
最後の展開に関しても、正直見ていて馬鹿らしくて聞いてられない。

まぁ彼らの人間性がもともとそれっくらい薄っぺらくて、
閉塞的で考えなしのもので、それに対して事件や
自分の能力関して考察し抜いた結果があれであって、
その苦悩に対して救いがあった!っと考えるのであれば、
それはそれで感動があるのかもはしれないのですが…。
なんか小学校低学年か中学年向けの小説のレベルというか、
下手したらたぬきさんやらうさぎさんやらがでてくる絵本みたいな
人間像でないと感動ができない気がしますorz

映像作品としては本当に綺麗で音楽も素晴らしい。
戦闘の描写等も悪くない。でも爆破やキャラのチープさに
なんかやたら設定がごちゃごちゃしたコナンを見るような映画でしたorz

特典でついてきた小説も文章にに関しては…っという印象。
まぁ、ラノベ好きな中高生向けの作品ではないかと。

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水樹