インターステラーのレビュー・感想・評価
全231件中、201~220件目を表示
宇宙冒険物語 (&宗教劇)
一見ハードSFのつくりだが、本質は古式ゆかりな宇宙冒険談。
先に気がついたことを書いて、後に感想を述べる。
○ ブラックホールについて
昔、英国の物理学者の故フレッド・ホイルは「ブラックホールの中心にはホワイトホールがあるのではないか」と提唱していた。ホワイトホールからの物質の急速な放出がブラックホール(の元の星)の崩壊速度を後押ししているのではないのか?そうでなければ強烈な重力であるブラックホールなど存在するわけがない(提唱した当時はブラックホールはまだ理論上の存在だった)いっていたのを思い出した。今作では特異点=ワームホールだが理は通っていると感じた。
○ クライマックスについて
字幕では五次元といってはいたが、これはおそらく余剰次元のことだろう。そうでなければ画がおかしいことになるからだ。そして、それを踏まえなければ下手をすると漫画チックと解釈されかねない、あの時計のシーンは、量子的存在になったクーパーがモールス信号を送る“あれ”は余剰次元を動かした事だろう。
個人的にはそんなに難解な映画とは感じなかった。落とし所はアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』と同じだからだ。
それよりも驚いたのはいつもは暗かったり疑問符的な落ちをとるノーラン作品としては今回はハッピーエンドだったことだ。
[追記]
クライマックスのトンデモ展開やご都合主義などの批判があるが、これが主題なのではないかと二回目で観て気がついた。流れでいうと。
クーパー事故る。→ ワームホール誕生。→ 娘の部屋の異変を調べていたら昔の仲間と再会。→ 娘と出来そうにもない約束をして宇宙へGO!→ 巨大ブラックホール付近の星であれやこれやあってブラックホールの中心(特異点)に到達→ トンデモ展開→元(?)に戻って娘と和解。→ また宇宙へと旅立つ。
上記の流れと作中で言われた「起きるべきことは起きる」や「大人しく夜を迎えるな……」の言葉を踏まえるとクーパーは“選ばれた”としかいえない結果となる。つまり、これは旧約聖書でのノアの箱舟やソドムとゴモラと同じつくりで、神(五次元人)に選ばれたクーパーが数々の困難を乗り越えて神の“恩寵”を得る。という内容を宗教の言葉やイベントを使わずに描いた映画であるということだ。そういう視点からすれば『2001年』的だとはいえる。
がっかり
インセプションやダークナイトシリーズでは、あっという間に感じた上映時間が、今回はとても長く感じました。
宇宙というより家族愛がテーマで、観客を感動させるてやろうという意図が、最後まで好きになれませんでした。また最後のどんでん返しを演出するために、伏線を張りすぎていて、不自然さを感じました。
宇宙が題材なので、ある程度強引な設定や辻褄合わせは覚悟していましたが、あまりに強引でやり過ぎな印象を受けました。本を動かせたり、秒針をコントロールできたり……
CGを多用しない作風は好きですが、今回は宇宙なのでもっと多用すべきだっのでは??宇宙船から見える地球や、作り物感満載な宇宙船の波にさらわれるシーンなど、なんか安っぽい感じ。
それと、マット・デイモンを起用する必要が果たしてあったのでしょうか?彼のような主役級で善人役が多い人物ではなく、もう少し知名度が低くて、キャラクターが定まっていない俳優の方が適していたような気がします。
わざわざ劇場で観る必要はなく、STAYが懸命だと思います。
怒れ、怒れ、過剰に期待しすぎた自分自身に。
長くて良かった!
短かったとかあっと謂う間だった
とまでは思わないけれど、
長かったからこそ最初の伏線も忘れてて
この世界観を素直に楽しめた。
間違いなく映画館で見るべき映画でした。
只観ていて感動したし
素晴らしいエンターテイメントだと思った。
親子で見る映画にしては長いし難しいと思うのは大人の勝手な印象でしょうね。
私自身
元々ウラシマ効果だとか相対性理論だとか知らないし、劇場の説明で納得できる程、頭が良くないので、
判らない事が多かったからこそ
一緒に観に行った人とああじゃないかこうじゃないかと会話が止まらず、
家に帰ってからもレビューを検索しました。
それも含めて楽しい映画です。
そこで、
知識がある方?が5次元とかブラックホール等々に関して辻褄が合わなかご都合主義だとか色々書いてましたが、
まだ誰も見たこともない事象の解釈は学者の数だけありそうな上日々変わってそうなので何が正しいとか間違ってるとか言いきれない上、
ドキュメンタリーじゃなくて創作ですからね!
ゼログラビティの時も何かネットで問題になってましたけど、
まだ皆自由に宇宙行くわけでもないし
個人的な見解で作品作って何が悪いんだって
思ってしまうのでした。
それは無知な者の贔屓目線でしょうか。
そんな私は
不器用な息子に涙しました。
父が進めと言えば崖でもアクセルを踏む兄です。
父が死んだと思い、自分の家族を犠牲にしても父から任された家と農園を離れません。
家族は皆頑固な所が似ていて、
それを判っている妹は放火をします。
父が生きていてメッセージ?がきたことを聞い
た時の表情は煤か土かでよく見えませんでしたが、
きっとずっと妹が父の生存を証明するのを待っていたので安堵したことと思います。
圧倒的な映像とロボットのジョーク等々
父と娘の絆の話だけじゃない見所も随所に散りばめられた良い映画でした。
次は甥っ子と吹き替えで観に行きたいです。
空想科学絆映画
何とも壮大で身につまされるストーリー。親が子供に対する愛は無償の愛、かけがえのないものを痛感し嗚咽が出るほどでした。SFに付き物の専門用語がかなりあり女性には不向きな面もあると思いますが2時間49分を長くは感じなかったです。一つ残念なのがなぜマット・デイモンが急遽出演したのか、それもあんな役回りで… 彼の大ファンである家人が相当ガッカリしてました。
愛は時空を越える
高評価が多い中、星ひとつは気がひけるが「いい映画」ではある。ただSFとして観ると随所に破綻しているのは否めない。愛は時空を越えると言うテーマをSFの味付けで描いたと観るべきだろう。
人類の終焉と言いながら舞台はアメリカの片田舎のみで地球規模の危機感が伝わってこない。
近未来にしては三段ロケット程度の技術で土星やブラックホールにたどり着けないだろう。
劇中のNASAの体制が弱体過ぎる。
最後にマシューが宇宙船から脱出するが、カプセルもなく飛行士がそのまま放り出されるのはいかがなものか?
などなど、、、でも良いのだ。最後にこれはファンタジーの体をした古きよき田舎の人間愛を描いたアメリカン文学なのだと気付いた。
21世紀のスペース・オデッセイ
監督が実写での撮影にこだわったと言うすみずみまで神経の行き届いた映像がとにかく美しくすばらしい。
大画面で観る値打ちのある作品。
ごりごりのハードSFな描写で「おおっ」と思わせるも、大事なところで荒技をぶんぶん振り回して笑わせつつストーリーを回収させていて微笑ましい。
手に汗握る169分は長くなかった。
(以下はネタバレを含む感想です)
外見はサイエンス・フィクションを装いつつ、何故か「ラザロ」と名付けられた計画・約束の地を見ずに死んだモーセを思わせるブラント教授・人類の箱船でもある宇宙船・存在を曖昧にしたまま語られる「彼ら」など、キリスト教にはくわしくないもののストーリーは聖書の21世紀的解釈といった様相も感じられる。
主人公の父と娘、教授と娘、など「家族」ではなく「父と子」がテーマのひとつになっているのもキリスト教的かもしれないが、「子」の二人が「娘」なのが現代的で好ましい。
さらに「ユリイカ!」と叫んで人類救済の糸口をつかんだマーフィーからプラトニズムすら感じられると言うと飛躍のしすぎか。
SFファンのみならず、西洋の古典にくわしい方に観ていただいて感想をぜひうかがいたい。
『2001年宇宙の旅』では機械と対決した人類が、いまや機械はともだちで隔世の感あり。
ワームホールやブラックホールの表現は目新しいものの表現手法としては『2001年ー』を超えるインパクトを感じられいので星を半分落としました。
2001年宇宙の旅+コンタクト+サイン+藤子・F・不二雄
宇宙の映像体験ならゼログラビティの方がコンパクトで映像に集中できるストーリーとして最高でした。それに比べこちらはもっと複雑、だけどテーマは愛。その軸がしっかりしてるからまとまってるし大衆的に受けている。
予想以上にその「愛」の部分の比重が大きく誰が見ても涙にしには見られないほど。
よく言われてるようにこの作品は2001年宇宙の旅とコンタクトが土台にある。あとライトスタッフとか。
それだけではこの作品はいい映画に終わってたかもしれないが、次の要素によってみんなが見終わった後に語りたい映画、とんでもないえいがへと昇華している。その要素がムー的なとこ。雑誌のね。前半はシャマラン監督の『サイン』のような感じで、後半は日本人に馴染みいいとこで言うと藤子・F・不二雄。
その仕掛けが面白い!ただこれも「愛」のドラマがなければ、ここまでの反響はなかっただろう。
その他にも素敵ポイントがいくつかあるけど、僕としては撮影監督がホイテ・ヴァン・ホイテマというところ。ぼくのエリ、裏切りのサーカス、ザ・ファイター、her、そして新作は007。全部僕の好きな作品ばかり!この作品たちはストーリーだけではそこまで大好きとならなかったと思うけど、映像の醸し出す雰囲気が作品を傑作の域にまでおしあげていた。
あとはロボットのデザイン。素晴らしい!フィギュアほしい!
この作品を批判してる人の多くは難しいとか、科学的におかしいとか言ってるけど、そんな小さなこと気にしなくてもいいよ!(本当はダメかもしれないけど)それを上回るくらいの映画的興奮があるんだから!と言いたいなー。
一つだけ納得できませんでした。
宇宙に出発する主人公に最愛の娘が泣いて頼みます。何者かが「STAY」とモールス信号やらいろんな方法で知らせて来るから、どうしても行くのをやめてと。
話は進んでエンディング近くで「STAY」と娘に送ったのは主人公本人だと分かります。
宇宙では、たいへんな目に遭うのですが、主人公は生き残り、地球を救います。その主人公が娘に「STAY(とどまれ)」と信号を送った意味が分かりません。
それが分からなくても、専門用語がたくさん出てきても十分楽しめる映画でした。でも知りたいのです。分かる方教えて下さい。
マット・デイモン
天才クリストファー・ノーラン。
今年一番の映画でした。
単なるSFではない。
単なる家族ドラマではない。
単なる2001年宇宙の旅の焼き直しではない。
娯楽作品で今この人を越える人はいないな。
ストーリーも考察がしっかりしている分無茶が無く隙もないのに、娯楽作品として私のような理科音痴でも楽しめる内容となっている。
一つだけ、私が世界で一番好きな俳優であるマット・デイモンが物凄く小物に描かれていた点だけショックだった(笑)
完璧な作品^ ^
やはり期待を超えてくれた!
さすがクリストファーノーラン
素晴らしいSF作品に出会えた^ ^
まず冒頭開始からノーランワールド全開でその世界に飲み込まれていく。。
また160分ちょっとという時間があっという間に感じられるほど飽きさせない作品であった
また予想だにしない衝撃の展開
さらには、地球を超えて繋がる親子の愛にも感動!
太陽系を離れた未知の星への人知を超えた世界を描いたのも素晴らしかった。
あのゼログラビティを越すクオリティで最高のSFだと思った
人生に一度は観ておきたい映画!^ ^
星5でも足りないぐらいも素晴らしい作品でした。
現代版2001年宇宙の旅的な…
ラスト30分の為に前半があると言ってもいい。
それだけ後半が充実してると思う。
人類愛、親子愛、ロボットとの友情、ラストは仲間を思う心を思わせる。
適度なSF感があるし、ブラックホールや5次元の世界も何となく理解できたし…
期待してなかったのに、長かったのに、何か充実感のある良い映画でした。
S.T.A.Y…Stay!!!
「インセプション」を鑑賞した時、オリジナル作品でこの規模の映画を撮れるなんて、クリストファー・ノーランというネームバリューはすごいことになったなと感じた。「ダークナイト」の影響が大きかったと思うが。
「インセプション」のときに、夢を共有する機会が随分古くさいなあと感じた。そして作品全体のアクションを占める「007」シリーズ感。それら全ては、ノーランの好きな映画オマージュであり、随所に散りばめられたノーランの好み、趣味の部分であった。この部分は「インセプション」の作品には一応作品のバランスを考えたスパイスだったのだが、
今回の「インターステラー」一言で言うと、ノーランの趣味が、スパイスが作品の大部分を占めていたということである。つまりノーランの趣味全開だったということ。今回意識されるのは、「2001年宇宙の旅」の、これでもかというリスペクトである。ノーランのキューブリックへの挑戦とも捉えられるが、挑戦というよりリスペクトである。モノリスを思わせるロボットや、重力を作り出す機会。ここまであからさまに見せているのにもかかわらず、時間の感覚と、驚く映像、無機質に思えて、非常にあたたかみのある人間の心理描写。複雑な説明を飽きせず見せるのは、紛れもないノーラン映画であり、さすがとしか言いようがない。作品から伝わるメッセージも、作品創りそのものも、ノーランという人間は、古き良き時代への愛を持った人なのだなと感じる。それは作品内で強く暗示される「時間」という限られた残酷なものにも繋がる。映画という歴史も同じだ、と。
下を向いてたって運命は変わらず、人間だっていつかは死んでしまう。だったら希望を胸に空を見よう。宇宙はきっと、謎と可能性に満ちている。前に進もう。
60年代SFなんて僕には世代ではなく、未知の領域だったが、この映画が持つ時代への愛が、強く感じた。マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ特にこの役者の演技が最高で、映画の質をグッと上げている。様々な要素を考えても、ノーラン映画の中でも、かなり上位に入るくらい好きな映画になった。
言い忘れていた。農場と宇宙が行き来するシーンが多い映画だが、そこで印象的なのはハンス・ジマーの音楽だった。この映画の謎の部分とドラマの部分、映画としての見た目の部分の1部として、素晴らしい要素であり、音楽だった。「ゼロ・グラビティ」の音楽と比べると面白いかも。
確かに最初の感想、「長い」ですね。
序盤の地球崩壊について、描写が局所的で、どうも入っていけなかった。アメリカの「田舎」は人口減であんな感じだろうけど、都会は?世界は?スマホは?っていろいろ疑問ってなってる時に地球から発射しま~す。ってバスやないんやから。
同じ「局所的」でも全体像を見せて「自分に」、「家族に」身の回りに降りかかる、「スーパー8」やら「宇宙戦争」やら、やっぱスピルバーグってすげえと・・・。ってこれは関係ない。
でも打ち上げシーンのCGがCGに見えない。ここらへんはすごい。
CG技術がすごい。
宇宙に出てからは妙に展開早し。まるで星真一の短編並みの速度で話が進行する。冬眠→最果ての宇宙のあたり到着は全体的にバサっとカット。
この映画は「重力のみが過去にも未来にも行ける」
ここらへんに面白い部分があり、そこら辺をビシっときちっと描写してくれたら大変面白かったと思いますわ。
ハッピーエンドは映画史上まれにみる強引さながら、やっぱほっと安心しますね。
ハリウッド以外の映画なら100%主人公死にますわ。
私も同じくらいの娘持つ親だけど、「感動」ではないかも。
(設定は娘より息子の方が良かった?)
最終的に、見終わった後の感想は「長い」以外にあんまりない。
駄作ではないが、中の上としか言えない。
時をかける......。
クリストファー・ノーランがまたやった、という感じである。
アメリカ空軍もない、NASAもない、食糧難の近未来。
そこで何かに導かれるように宇宙へ旅立っていくクーパー(マシュー・マコノヒー)。
これは壮大なSF絵巻である。時空も何もかも飛び越える愛の物語でもある。
ただ、あざといところもある。難解なところもある。
特に、クーパーが娘マーフにサインを送るところはその両方である。
それでもなんともいえない説得力がある。
ワームホールやブラックホールを映像化するという難題に果敢に挑み、それを成功させたといっていい成果をあげたことは特筆に値する。
「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック監督)に匹敵するといえばほめすぎだろうか。
キューブリックの映画もオリジナリティあふれるものとはいえ、クレジット上はアーサー・C・クラークの原作があるが、本作はまったくのオリジナルである。
果たして、人類は重力をも征服できるのだろうか。
たらたら長い!
序盤のオカルトっぽい重力の話しから時間の概念がうんたら言うんだろうなと思ったら正にその通り。ブラックホールに突っ込むネタも予想通り。5次元ね…。そしてそこからなんでもあり。まぁ未知の世界だからね。しかもその辺の描写が雑だから理解出来ないとか難しいっていう人続出。時間掛けるところ間違ってると思いますけど。しまいには宇宙を漂って無事御帰還って…。まぁそもそもあれだけ高性能なアンドロイドがいるのに、人間が片道覚悟で移住先探しに行くかね…ってそれは許すとして、面白くないとは言わないけど、この内容なら100分以内でなんとかなるでしょ。
それにしてもなんで皆さんこんなに評価が高いの?
(^^)凄い作品
滅びゆく地球の移住先を探す旅に出る父親とそれを待つ家族。時間の経つ速さが違うため息子、娘は父より歳をとっていく。旅は人類移住先を探す旅でなく、人類の卵子を広げる旅であり、父は同僚を助けるのに、犠牲になりブラックホールに入ってしまうが、、、。
まるで一緒に旅している感覚におちいり、ブラックホールに落ちた時は一緒に切り抜けた感覚。父親が娘を思う気持ちがひしひしと伝わり涙(T_T)
なんとなくなんだけど宇宙戦艦ヤマトとガンダムが入っているような?
是非見ていただきたい作品^_^
長い、、、
?な映画でした。
時間的なストーリーが前作のインセプションと似ていました。
個性的で知的で芸術性が高いと思いましたが、
その世界についてこれる人だけが楽しめればいいという感じがして、個人的には面白くありませんでした。
ロボットの形など最後まで全く馴染めませんでしたし、NASAの施設へのたどり着き方もなんだか不自然と感じました。
親子の愛やサイエンスやSFや社会問題や時間など、絡め方も全く馴染めずなんだか変だと個人的には思いました。
とても長く途中で帰りたくなりましたが、壮大な映像だったのでとりあえず最後まで見てみました。
マットデイモンが出てきたのはビックリしました。
父娘の絆に涙
上映時間約3時間の長編映画なので、父親が宇宙に飛び立つまでの地球での暮らしぶりがじっくり丁寧に描かれていて、父娘の辛い別れのシーンを存分に盛り上げてくれます。わが子が自分より早く年老い、大切なものを無くして希望も失っていく様を、何光年も彼方の宇宙から何もできずただビデオレターで見届けるしかない父親の姿は涙なくしては見ることができませんでした。
ただ設定上どうしても突っ込みたくなる部分もありました。
ワームホール経由とはいえ、人類を別の恒星系探査に送り出すテクノロジーとリソースがあるのであれば、まずは穀物の疫病対策にシャカリキになって取り組むべきなのではと思ってしまいます。そちらの方がどう考えても簡単な課題なのではないかと。
また終盤のシーンには出てきましたが、全人類まるごと別惑星に移住するよりはスペースコロニーを建設する方が手っ取り早い。重力の謎を解明しないと実現できなかったのでしょうか。
以上蛇足でした。
私が好きではない方のノーラン映画
ノーラン監督の過去作品はほぼ全て視聴済みで、「インセプション」など、”その欠点は理解した上で評価したい”映画と”欠点だけが際立って見えて評価できない”映画に分かれるのですが、本作は後者かと。
まず、「扱っている題材に対して若干敬意が欠けている」とでも言いましょうか。
農地開発・放棄によって地面の土が露出し、砂嵐が起きて作物がトウモロコシしか育たないという状況で、主人公が唯一の食料であるトウモロコシを潰しながら畑の中を車で駆け抜けたり、はたまたその娘がトウモロコシ畑に火を放ったりと、食料不足の問題を提示しながら、その題材に対してあまりにずさんな演出を”映画的なルックを演出するために”しているようにしか見えませんでした。
また、映画冒頭に挟まれる「当時は砂嵐で大変だったのよインタビュー」のシーンによって、主人公がなんらかの形でミッションを成功させるということが推測できてしまい、映画全体において主人公がいくら危機的状況に陥ってもハラハラもドキドキもできず、完全に物語的に不必要(むしろマイナス)な要素だったような…
他にも、ロケットの設定や、HALを思わせるヘルパーコンピューター(ロボット?)の鈍重さなど色々と突っ込みどころがありました。
「2001年 宇宙の旅」を思わせる撮影方法や演出などは”気が利いていて”良かったかなぁ…
今回は本当にただの「ジャンル映画っぽくないジャンル映画」だった、という印象です。
全231件中、201~220件目を表示