「官能的で妖艶な非現実的な世界」ファイアbyルブタン もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
官能的で妖艶な非現実的な世界
もともと他の映画の予告編で知ることになり、その映像に圧倒されて見に行きました。
とにかくすごい!オープニングのGOD SAVE OUR BARESKINのパフォーマンスでまず度肝を抜かれて呆気にとられました。本当に美しいし、こだわってオーディションをしたのでしょうが、一人一人の身長や体型がとても似ていてそれが全体の完璧なバランスになっている気がして、とても素敵でした。そこから、女性の曲線美と妖艶で官能的なパフォーマンスはまさに浮世離れした感がとってもつよくて、まさに魔法のような時間でした。
ショーの間にルブタンと、パフォーマーのコメントを挟みながら進むのですが、このルブタンのぶっ飛んだ感じと俺様感もとってもよかったです。こういうのつくるのって、やっぱこういうやつだよね…みたいな。「10歳のころからショーに夢中になった」って、いくつからみてんだよ!!みたいな。その中で、「靴には服を纏わせる靴と、服を脱がせる靴があり、私が追い求めるのは露出させる靴」とか、「女性の脚の表情は豊かで、歩き方や立ち方でさまざまな表現ができる」というルブタンの言葉そのままに、脚やヒップラインの美しさをクローズアップしたショーがとても印象的でした。
それと、ルブタンの言葉で印象的だったのは「クレイジーホースのよさは、大人の女性がそろっていることで、若い女性ではなく、大人の女性の完成された女らしさである。自分の靴も同じで大人の女性が身につけた時にセクシーな魅力を表現するための靴をつくっている」的なことをいっていましたが、これも印象的でした。確かに、このショーは完璧な女性の美しさが圧巻でした。
ショーでは、バレエシューズで踊るMASTEROIDE、ライン上の光がロープのようにたゆたった中に激しく踊るSCANNERそして、足でストーリーを表現しながら上半身に表現を変えていくWEST SIDE CRAZYの三つがとても印象的でした。どれも、時間を忘れるほどすごい!
あと、ルブタンのシューズもとても素敵でした。いや、絶対に現実的に履かないようなものばかりですが、ルブタンならではのピンヒールがバレエシューズになっていたり、ドクロのステッキがついていたり、ショーのためのデザインだと思いますが、とてもかっこよかったです。
欲をいうと、ショーの間の巨匠のお話が常に現実に戻してくれる感じがちょっともったいなかったかな…笑。もっと浸っていたかった感があるのと、ここまできたら映画じゃなくて舞台がみたい!そう思える映画でした。