「さすがイタリア。。」鑑定士と顔のない依頼人 vajramさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがイタリア。。
この映画、イタリア発だったんですね、納得。
イタリア映画が生半可な月並みの安いメロドラマに収める訳ありません。
主人公オールドマンなる独身老人鑑定士が顔のない依頼人に招待され次第に惹かれていき、衝撃の終止符で締める映画です。
ある意味老人虐待の映画。
個人的には流石、イタリアと賞賛したい。
同時に、何度も見なくて良いかなと感じた。
伏線はわかりやすく、キーパーソンの存在要素が明確で高評価。
然しながら極端な見せ場が一箇所に集中しているため、シナリオがわかってしまうと伏線回収に二度見たいほどの甲斐甲斐しさは無いでしょう。
この伏線が考えさせられます。
生涯を掛けて蒐集した鑑定士オールドマンのコレクション
これは正当な手筈で集めたものではないのだから。
彼自身映画の序盤で「影の存在」と自分を称しています。
見所はここかもしれません。
ここの解釈が、エンドロールでの気分を決定するでしょう。
この映画のポイントは、彼の恋愛プロセスに「影の存在」を極めて薄く匂わせている所。このような背景を薄める技法が其処此処に散りばめられています。
この技術はおそらく歴代の監督史でもあまり見ませんね。
この結論に納得させられるだけの度量があれば
素晴らしい映画となるでしょう。
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