機動戦士ガンダムUC episode7「虹の彼方に」のレビュー・感想・評価
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可能性の獣
自粛期間中ゆえにNETFLEXにてTVシリーズを全話一気見。
そんなつもりはなかったのだが、見出したら止まらなかった…。
映画版も観てたのだけど、こんなシーンあったかなと思われるものがいくつか。なんか得した気分だった。
ファーストを彷彿とさせるエピソードがふんだんに盛り込まれてあり往年のファンには堪らない。何より作画が…素晴らしい!
観ているだけで眼福なのだ。
無論マイナーMSの活躍にもテンションは上がる。オリジンの時のようなCGの介入は少なめで、手書きの滑らかさが光る。
展開が早く分かりづらい部分もあるのだけれど、元からある流れに挿入される史実を後付けで組み込む事って大変なんじゃなかろうかと、脚本家の力量に唸る。
宇宙憲章が改竄されてたとか、よくまぁそんな事思いつくな、と。ジオンの独立戦争からシャアの反乱に至る流れに過不足なく融和していく感じがとても良かった。
それはMSの性能にもしっかり組み込まれてて、NTDって切り口が斬新だった。
声優さんも、皆様良い仕事をしてくれていて…とてもとても良かった。
ミネバの声の距離感とか、バナージのよろけながらにも前を向く意思の強さとか…まさに命を吹き込む所業に感嘆とする。
リディなんか大変だったろうなと思う。一貫性のない一貫性というか…変化の振り幅が目まぐるしい。1人の人間としてギリギリ踏み止まったような印象だ。浪川さんは葛藤しまくりだったんではなかろうか。
今回改めて観て思うのが「シャア」である池田秀一さんだ。
劇場版を観た時に思ったのは、あー、池田さんも老けたのかなと、声のか弱さを感じでたんだけど、その印象は180度変わった。
俺はシャア本人だと思って観てたのだけど、フロンタルって、まさかのクローンなのかと疑念を抱く。
クローンに関して直接語られる事はないのだけれど、マリーダのエピソードやなんかもありで…あの抑揚を極めて抑えた口調に至るプロセスを推察したりした。
勿論、突拍子もない馬鹿げた推論でもあるのだが、この余白こそが可能性でもある。
イッセー尾形さんに匹敵する程の仕事ぶりに感嘆すると共に、失礼極まりない過去の自分をフルボッコにしてやりたい。
そして、やはり難解だったのがネオジオングの末路だ。台詞はよく分かる。いや、そおいう事かと納得もする。
だがタイムトラベル的な思念の跳躍を経て、朽ちるネオジオングには「何故?」の文字が貼り付いて離れなかった。
その内、腑に落ちる日が来るといいな。
「でも、それでも!」
このフレーズは暫く耳に残って離れなかったのだけれども、この作品に出会う前から、幾度となくそおいう局面は訪れていて、その時の感情がこの作品を経て言葉になったような感覚だった。
「ガンダム」という王道を迷う事なく直進し、更にはその王道たる所以を証明してみせた作品に思う。アナザーストーリーでもなく、局部的なドラマでもない。
直系の続編にして、まさにガンダムの可能性を押し広げた作品だった。
まとめて評価したので1作目と同じ
富野節とは違う聞きやすい、それでいて深い語りが各インテリキャラから出てきて、ガンダムらしい濃厚なストーリーです。
全体を通じて人の死や恋愛で心情が揺れ動く様子が、けれん見なく表現されてるので、一気見してもしんどさが無いです。
見やすさという点ではアニメーションも優秀です。
1話目の主人公たちをマリーダが追いかけるシーンだけで、この作品は観るに値すると感じました。
あれだけでマリーダの能力、立場、キャラが伝わるんですよね。
特に宇宙移民を「参政権の剥奪」と捉えるのは面白いです。
小説を読んだ人からすると詰め込みすぎだそうですが、ダラダラせずしっかりした話になってるように見えました。
堂々たる完結。 何度見ても泣ける。 マリーダさんが死んじゃったシー...
堂々たる完結。
何度見ても泣ける。
マリーダさんが死んじゃったシーンでは悲しくて泣いたけど、後半リディが参戦してバナージとサイコフィールドをはるシーン。
あれは感動した。感動して泣いた。
お守り無くしちゃったけど、ちゃんと思い出せたんだね〜!
お父さんも飛行機思い出してたもんね〜!
お〜わーしゃっしゃっしゃ〜!
ってなった。素敵。
わかるだろうか、この感情の昂りを。
挿入歌も素晴らしく、音響担当の方が主題歌も手掛けているみたいなので作品と主題歌の相性もバッチリ。
小説と違うところも多々ありますが、それはそれでいいと思える作品でした。
バナージは精神面のまっすぐさではガンダム1なのでは?と思います。
よかった!
最後なので戦闘シーンは多かったですね。
マリーダとジンネマンの関係は素敵ですね。
この二人のシーンはいつもグッとくるものがありました。
たまらんのは、やっぱりアムロ、シャア、ララァでしょう。
全部みおえましたが、この作品は、ここ最近観たアニメの中では作画もストーリーも一番良かったかな。
“ガンダム”という思想 ここに完結!
ファーストで初めてガンダムに出会ったのは、5歳だったろうか。あれからウン十年。信じて見続けてきて本当によかった。
人類が宇宙で暮らすことによる革新・ニュータイプの可能性を信じる。きっと幾世代を経ても、私たちには体験のできない生物としての進化が、温かさを伴ったものであってほしいという祈りという物語の結論。
それは現実世界にあっても、今の世の中がフロンタルが言うような「現状を維持するためなら、可能性を葬る」世の中だとしても、いつか人類は次のステップに進める、あるいは進むことを信じようというメッセージだ。
きっと宇宙世紀シリーズを作る上では、何度も紆余曲折を経たことだろう。はじめからこの答えが用意されたものではあるまい。しかし、これしか結論がなかったようにも思える。
サイコフレームというおよそ超科学的な代物や、バナージが真のニュータイプとしていきなり覚醒してしまうことなども、このメッセージを伝えるために必須だったように感じる。
壮大な叙事詩の完結に涙していた、その時、まさかの!!
いやぁー、今後も引き続きお世話になります(笑)
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