私の男のレビュー・感想・評価
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二階堂ふみはすごいけど。
桜庭一樹については、この直木賞受賞作の前に日本推理作家協会賞をとった「赤朽葉家の伝説」というのがあって、そのときに注目していた。
例によって、まだ読んでいないのだが、あれよあれよという間にメジャーな作家になった。
奥尻島の津波がモチーフになっていて、そこでひとりぼっちになってしまった花と、花と出会うことで家族を作ろうとする淳悟の結び付きが物語の骨子である。
花と淳悟のことを、まわりはほっとかない。これが地方ということか。
都会でひっそりと暮らしていたなら、誰もふたりのことは気にかけず、ふたりは思いのまま生きていけたはず。
花は学校でもうまくいっている風、普通に就職し、また上京もして結婚相手も見つける。
この成長していく花を、二階堂ふみが説得力をもって演じている。
現在の若手女優のなかでは群を抜いた演技力である。「渇き。」であの程度の役しか与えなかった中島哲也は非常にもったいないことをしている。
北海道の風景と淳悟、花の荒涼とした生活はシンクロしていて、映画としてはすぐれているのかもしれない。
間違いなく熊切和嘉の力作だと思うが、僕とは合わなかった。
二階堂さん◎
だらだらした狂気
淳吾と花の関係性を時間経過と共に理解する作品。
面白かった。
確かに面白かったし、主演二人の怖い程の凄みにはグッときました。
が、色々な前評判や予告等で期待パッンパンに行った結果。
若干の残念感が、という印象になってしまいました。
特筆すべきは主演二人。
作中に登場人物が少数であるため主演の二人が話を引っ張っていきます。
浅野忠信、二階堂ふみ共に良かった。
序盤の淳吾の不可解さ、怪しさ。
底の知れない淳吾が花を引き取る場面はゾワゾワしたものを感じます。
本当にこの娘は“花”なのか、と想いが過る不信感すら。
しかし時間の経過と共に底が知れなくなるのは花。
幼少期の自身の力では開けられないペットボトルを抱きしめる姿から始まり。
中学生の時点で未熟さと同時に淫靡さ、そして貪欲さが滲みでています。
淳吾以外に然程興味を持っていない点も異質感が。
二人の関係が明らかになるにつれて、花の異質感が高まっていきます。
そして時間が経つにつれて覚える彼等の関係性の違和感。
これは対等の関係からなる愛なのか。
大人が子供を絡め取り籠絡した関係性なのか。
いや、明らかに異なる関係性が時間を掛けて綿密に醸成されており。
この関係性に溺れているのは、そして溺れさせているのは誰か。
という点でゾッとしてきます。
違和感が確信に変わるのは北海道紋別ではない土地での二人。
或ることを切欠に二人の関係性に変化が…生じない点にハッとさせられます。
そこで見えてくる花の共通する、変わらない立ち位置。
以降の展開はその確認作業であり蛇足と言えば蛇足の展開に。
しかし随所で見られる淳吾の醜い感情は淳吾側の“正しい反応”として観ていて面白かったです。
終盤まで期待を裏切らない流れになっていました。
惜しむらくは見せ場が弱いこと。
北海道紋別での淳吾と花の自室での行為の演出。
そして中盤の見せ場である流氷での遣り取り。
正直、あんまりピンとこない場面になっていました。
特に流氷の台詞応酬の陳腐さ、結末の画面の格好悪さには失望しました。
藤竜也が演じる大塩の言動が鬱陶しく感じたのは自分だけでしょうか。
淳吾と花の関係性を時間経過と共に理解する本作。
『モスクワ国際映画祭コンペティション部門』云々が更なる期待感を煽る状況になっていますが。
フラットな状況で鑑賞すれば十分楽しめると思います。
オススメです。
浅野をトヨエツに脳内変換して見た
冒頭は原作と同じシーンから入って欲しかった。あと、原作でも淳吾は老いさらばえても不思議と優雅に見える。とあるので、浅野というよりはトヨエツ。なので脳内変換して見ました。
それはさて置き、二階堂ふみちゃんの体当たり演技が素晴らしい! これで彼女がフルヌードを披露していたら★5でもいいです。余談ですが彼女は慶応に入ったみたいなので、同級生はキャンパスに行くのがさぞ楽しいだろーなーと(ちょっと羨ましい)。で、実際にお付き合いしていたのは新井浩文ですが、破局も噂されているので、そのまま別れて欲しいです。ぜんぜん不釣合いだし、なんなら本作をキッカケに浅野との交際の方がずっと成長できると思う。
滅茶苦茶脱線しましたが、、ハリウッド作品でマイティ・ソーとも競演する浅野が、仲里依紗に接していたであろう中年オヤジまんまのエロさを垣間見れるだけでも必見です
納得できない
綺麗だった。
映像や効果音が綺麗だった。
そして浅野さんはもちろん、二階堂さんの演技力に圧倒された。
中学生から成人女性までの幅広い年層や複雑な感情、すべてを演じきっていました。
中学生の花、高校生の花、社会人の花。
すべてがきちんとその年代に見えました。
二階堂さんの演技力はとてもすばらしいとおもいます。
是非もう一度劇場で観たいと思う作品でした。
でもやはりテーマがテーマですし賛否両論激しい作品だとは思います。
それと少し原作を知らない人には少し難しい作品かもしれないです。
私は原作を読んだことはありませんが、 何度も予告編みたり、少しネタバレ読んでたりしてたので理解できましたが、なにも予習しないで行った友達は難しくてちょっとわかんなかったと言っていたので、想像が苦手なひとなどは予習していくことをオススメします。
過激なシーンや重いシーンもあるので
友達と行くよりは一人で行ったほうがいいかなと私はおもいました。
でもとても素敵な作品で私はとても気に入ってます!
モスクワでよい賞もいただいた作品なので一度見てみてはいいのではないかとおもいます。
桜庭ワールドにしたれました
退廃的な。。。
二階堂ふみの映画は見逃したくない
とにかく素晴らしい
深い闇
鬼畜によせすぎ
原作をライトバージョンにしたらこうなりました的な。
気色悪い
時間をさかのぼる手法の原作と違い、順に、花が大人へと進んでいく。
同じような境遇の、実の父と子。
凛々しい青年が自堕落な初老の腑抜けへと変わり、素直そうな少女が妖艶な大人の女へと変わる。
まあ、他人からはそう見える。
実はおぞましいことに、はじめっからふたりの体の中には、獣が棲んでいるだ。
娘をひとりの人格と認識できない父は、自慰行為に耽るように娘を求め、たいして娘は、父の精魂を吸い取って成長してしまったようだ。
とにかくエグイ。演技も、絡みも、演出も、映像も。
この監督、『夏の終り』のときほどではないが、原作未読の観客を、平気で置いてきぼりにする印象が強い。かといって、食い入るように引っ張られたかっていうとさにあらず、ダレるように感じてジレることもある。
言葉ですべてを説明するのも野暮の極みだが、わかるやつだけ付いて来いっていうのもいただけない。
万人受けしない、というが、つまり僕はその受けないほうだ。しかも、嫌悪感さえもって。
淳悟の気持ち?花の気持ち?
わかるわけがない。
このふたりが身近にいたら許せる?自分もこうなりたいと思う?
思えない。だってただの鬼畜だから。
むしろ、大塩のおじさんや小町の気持ちこそよくわかる。
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