カサンドラ・クロスのレビュー・感想・評価
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面白い要素てんこ盛りの欲張りな映画だ
なかなかの傑作
国際列車を舞台にした映画といえばオリエント急行殺人事件がまず思い出されるが、本作はその次に名前を挙げられても良い
音楽のジェリー・ゴールドスミスが良い仕事をしており冒頭の哀愁ある楽曲だけで、雰囲気ある面白そうな映画を観るぞという気合いが入る
そしてソフィア・ローレンがやはり素晴らしい
写っているだけで映画の格が上がるとはこのこと
一流スターの力は凄い
エヴァ・ガードナーも印象に残る見事な存在感だった
男性陣もバート・ランカスターの苦悩の演技も流石であったか、O・J・シンプソンが後半に活躍するが彼もなかなかいい役者で印象に残る
ほぼ鉄道列車内での密室劇であり、従って群像劇となるが手際よく処理されておりダレない
クライマックスの鉄橋事故はこうなると分かっていても凄い
鉄道事故の恐ろしさを身体的な痛みで感じられるような演出は見事
列車ものとアクション、そしてパニックもの
そこに軍の陰謀の風味をスパイスに効かせてある面白い要素てんこ盛りの欲張りな映画だ
なんかおかしくないか、この話。 ・はなから乗客を助ける気はなかった...
なんかおかしくないか、この話。
・はなから乗客を助ける気はなかったのか?ならなぜそんなとこに味方の警護隊を乗り込ませる?
・始めは助ける気があったのか?ではどこでそれが変わった。しかも病気は治ると分かったのに。
・乗客も警護隊と銃撃戦までやる?
てな具合でツッコミどころは満載。ちょいちょい挟んでくるラブシーンも緊迫感を大いに削ぎます。とにかく無駄に人が死にまくります、ラストはその集大成。余部鉄橋の事故を思い出し、現実にあったんだと怖くなりました。
古い映画だが、十分面白かった。アメリカは結局悪役ってわけだ。やりき...
古い映画だが、十分面白かった。アメリカは結局悪役ってわけだ。やりきれない憤りを感じた。最後の列車が川へ落ち込む光景が酷かった。
人命救助の為に殺し合い?
対応策のないの感染症が列車内で拡大していく。この問題に対して、原因を作ったアメリカは列車をポーランドの「収容施設」へと運行させる。
今では考えられないほどの、欧州でやりたい放題の米国の姿が描かれている。イギリスとイタリアの製作であり、これが大戦後の欧州人のアメリカへの視線なのだろう。ジュネーブの保健機関の女医の、米軍大佐に対する視線や言葉がそれを代弁する。
そしてもっと皮肉なことに、窓を封印させた列車で、隔離すべき人びとを先程の収容施設へと運ぶことが、ナチのホロコーストに重ね合わせられていることは明白である。
そのような当時の国際情勢を批判的に暗示する一方で、人間は進退極まった時にこそ、その本音を見せ、信念に殉じるものだということもドラマとして見せる。
ソフィア・ローレンとリチャード・ハリスの夫妻は、本音を吐露し合うことのない結婚を二回も失敗させている。しかし、この危機に際して、互いの働きぶりに驚き、相手の真摯な人間性に気づく。
神父に変装して、麻薬の潜入捜査をするOJ シンプソン(後の彼が実際に起こした事件と対照するとほとんどコメディにしか見えないが)や、大富豪の愛人のマーティン・シーンも、他の乗客たちを救うために一命を擲つ。
オールスターキャストだし、オープニング(「サウンド・オブ・ミュージック」へのオマージュであろう。)とエンディングの空撮にはお金も技術もつぎ込んでいる。それにジュネーブの駅のロケも、ヨーロッパが鉄道によって結ばれていた在りし日が映っていて、欧州旅行が高嶺の花だった時代を懐かしむことができる。
しかし、これだけ大作の要素が備わっているにもかかわらず、いや、そうであるからこそなおさら、観客が納得できない面が目につく。
米軍の指揮所のセットは初期のスタートレックのエンタープライズ号ブリッジ並みに安っぽいし、封印を施された後の列車がそれまでのものとは別の車両であることが簡単に分かり過ぎる。
そして、ソフィア・ローレンの、全くのってない演技。
さらに、人命救助の名のもとに始まる銃撃戦。このおかげで、鉄橋から落ちる列車とともに、映画もまたB 級へと落ちるのだ。
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