カサンドラ・クロスのレビュー・感想・評価
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パニック映画にウィルスと密室と陰謀のサスペンス…お腹いっぱいの面白さ!
ジュネーブの世界保健機構本部をテロリストが襲うも失敗、一人が逃走。襲撃の際、感染力の強いウィルスに感染、列車に乗り込んでしまう…。
1970年代にブームになったパニック映画の一つ。1976の作品。
日本では1977年の洋画第3位のヒットとなった。
感染が広がっていくウィルスの恐怖、巻き込まれた人々の混乱…ウィルス・サスペンスとパニック映画を織り交ぜ、一粒で二度美味しい。
移動する列車内というまるで「オリエント急行殺人事件」のような密室劇が、さらにサスペンスを盛り上げる。
映画の中盤で感染したテロリストは確保されるが、時既に遅し、乗客に次々と感染し始める。
乗り合わせていた医師は感染を食い止めようとするが…。
…と、大方予想通りの展開だが、ここから物語は急変する。
ウィルスは秘密裏の代物。
米軍は収容所に列車を丸ごと隔離しようとするが、その為には老朽化したカサンドラ大橋を渡らなければならない。
事故に見せかけ、隠蔽しようとしていた…!
それに気付いた乗客たちは協力して必死に抵抗する。
ウィルスの感染を防ぐ為に立ち向かっていた乗客たちが、陰謀に立ち向かう事に。
一番恐ろしいのは、人の命を軽視する権力側。
感染した乗客たちに思わぬ変化が…?
そして遂に、列車はカサンドラ大橋に迫る…!
リチャード・ハリス、バート・ランカスター、ソフィア・ローレン、エヴァ・ガードナーら大スター共演。
若き日のマーティン・シーンも出演。
CGが無い時代。今こういう映画を作ったら見せ場のほとんどをCGで表現出来るが、CG無くとも面白い映画は作れる。
ツッコミ所もあるが、見応え充分のエンターテイメント。
自ら責任を負って決断することの大切さ
総合:85点
ストーリー: 85
キャスト: 85
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 65
災害に巻き込まれた人々を描く優秀作。人々の生命をかけた重大な決断を、限られた情報と時間のうちにくだすという重さがいい。決断を他人まかせにし政府の言うことをそのまま聞いているだけの人々には、このような危機を乗り越えられない。自分の力で情報を集め冷静かつ冷徹に決断するということの大切さがこの映画の鍵となる。政府の決断に逆らい彼らの送り込んだ兵士と撃ちあいをして彼らを殺すということは、相当の覚悟がいるし自分の分析にも責任を負うということである。
それは事件に巻き込まれた人々の決断だけでない。ここでは一方的な悪役であるが、他の部署の失態の尻拭いをして人類への感染を防ぐために感染した可能性のあるものを全員殺すことにした政府側の決断もまた、彼らなりの重大な決断であった。実際細菌が広がれば極めて深刻な事態になっていたのだから。
主人公たちは感染していなかった。また有効と思われる治療法もあった。だがもし自らもが感染し治療法もなかったとしたならば、主人公たちはどのような判断をしたのだろうかとふと疑問に思った。
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