人類資金のレビュー・感想・評価
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【”M資金”について、深く追求する作品かと思ったら、見事に肩透かしされた作品。】
今でも、”M資金詐欺”が多数存在する。
古くは、全日空事件、グリーン資金事件、皇室資金事件・・・
所謂、旧日本軍の隠し金であった、”M資金。
今作の評価が低いのは、納得できる。
”M資金”を題材に取り上げ、そしてロシア、アメリカ、タイと舞台を変え、現代と1945年を行き来しながら描かれる”M資金”に関わった人々の姿。
だが、福井晴敏原作の”人類資金”自体が”亡国のイージス”レベルではなかったことに加え、今作の脚本に福井晴敏自身が絡んだ(勿論、阪本監督も脚本を手掛けている)事が宜しくなかったのは、間違いない。
観る側に、様々な意味ありげな問いかけをしながら、後は皆さんのご想像にお任せします・・、というモヤモヤ感が半端なかった作品。
実は”M資金”同様に、監督、原作者とも結末が見えていないにも関わらず、無理に”大作感”を出そうとしていた作品だと思った。
エンドロールが流れ始めた時点で多くの観客が席を立ったが、客電が上がるまで席にいた観客の多くが、”????”という顔をしていたのが、印象的であった。
今作が若手監督作であれば、レビュー内容は変わるが、邦画を牽引するべき立場にいる監督作である。
きちんと、観る側が楽しめる(腑に落ちる、学べる・・・)内容の作品を製作して欲しかった思いが今でもある。
”自己満足で許される映画は、学生が作る自主製作作品までである。”
<2013年10月29日 劇場にて鑑賞>
テーマは壮大なのに残念な映画
まず、1回見たときは、途中で眠くなってしまい、気がついたら終わっていた。断片的な記憶しかなかったので、ネタバレのネットなどでのストーリーを確認。
そして、2回目を見たが、やっぱりよくわからなかったところ、多数。
ビンセント・ギャロの立ち位置がよくわからなかったし、観月ありさが途中まで、何目線でいるのか、よくわからず、ラストへ突入。
テーマとしては、資本主義社会に対して問題を投げかけているのかもしれないが、そもそもストーリーと配役の背景がわかった上で見ないとわからない。。。色々なところが非常に残念。
なんで、スマホじゃなくてPDA?なのか、結構ツッコミどころ満載な部分もちと残念かも。
この映画には“E(エンタメ)資金”が無かったようだ…
まず、“M資金”が何なのか知っておかないと話に付いていけない。
旧日本軍が隠匿したとされる秘密資金。
その後の日本発展に秘密裏に運用されたと言われているが、その有無は今も謎に包まれている都市伝説のようなもの。
M資金を騙った詐欺は多く発生し、近年も報告されている。
映画の方は…
M資金詐欺の男が、本物のM資金の陰謀に巻き込まれ…。
日本史の謎と闇。題材的には非常に興味そそられる。
海外ロケも敢行し、スケール豊か。
阪本順治監督と佐藤浩市主演で「KT」路線を狙ったポリティカル・サスペンス。
…が、見て、他の方々のレビューと同意見。
…よく分からん。
本当に原作読んでないと分かりづらい。
映画だけでは把握しづらい。
専門用語もあって難しいのもあるが、テンポも鈍く、サスペンスも盛り上がらない。
何より、登場人物たちの行動や思惑や意志みたいなものも伝わってこない。
せっかくの豪華キャスト。M資金さながら、宝の持ち腐れ。
独特の存在感と流暢な英語を披露した森山未來の熱演が光っただけ。
そこそこに面白かった箇所もあるにはあったが、あまりよく分からずボーッとただ見てた感じ。
だから、後はもう何も言えない。
M資金より興味引かれるのは、徳川埋蔵金。
でも、作り次第ではこうなるのかなぁ…。
原作を読んでいることが前提か。ミステリーではなく社会派映画
森山未來が際立つ、アクション・演説・外国語と見せ場も一番ある。
ビンセント・ギャロってフツーの役出来るのね、意味ないキャスティング。
なんだか難しい話でセリフも長くて、私には理解出来ませんでした、、、...
なんだか難しい話でセリフも長くて、私には理解出来ませんでした、、、
森山未來の演技で星1つ。
やっぱり、香取慎吾の演技は苦手です。
『人類資金』
佐藤浩市、森山未來、岸部一徳、目玉のビンセント・ギャロと仲代達矢は必見。
世界には無知を無知だと知る自由さえ奪われている人々が現実に実在する。
偏り過ぎた貨幣秩序を変え分かち合う新しい資本主義は生まれるのか。
摂取する側はそれを許すのか。そんな映画。
この映画の本編は長い前フリで、結局エンドロールの後のオチが言いたかったのでは?
阪本監督が好きなので見てみたけれど、映画としてはあまり面白くなかった。
原作未読なので、人類資金と言うからには、超国家ファンドみたいなものを作って、悪いことをして儲けようとする投資銀行や、ハゲタカファンドみたいなものをやっつける話なのかと思っていたけど、まるで違っていた。
よく考えてみれば、10兆円程度のお金では何もできない。
すごいお金だけれども、日本の負債の一年分の金利程度のお金です。
これではこの映画みたいに、貧乏な国をちょっと助ける程度。
M資金で、世界が変わると言っていたけど、変わらないと思う。
うまく発展できたとしても、とられる方から、とる方に変わるだけ。
それどころか、お隣の国のようになってしまうかもしれない。
人類がどうのこうのというより、自分の国の心配しろよと言いたくなった。
この映画の冒頭で、「金は国家が発行する約束手形みたいなもの、国が負ければなかったことになる。」と言っていたけれど、まったくそのとおり、国債なども同じだと思う。
現在の日本は、大量にお金を発行して、そのお金で国債を大量に買っている。
大量の約束手形で、大量の約束手形を買うという、訳の分からない自転車操業状態。
これだけ大量の約束手形を際限なく発行していたら、ただですむわけがない。
世の中を約束手形であふれさせ、いつか不渡手形が出るだろうから、そうなったら倒産してなかったことにしようする、計画倒産としか思えない。
自らの借金を無視して、お金を訳のわからないことに使おうとするのはとても日本らしいけれど、もし本当にM資金があるのなら、訳のわからないことに使わないで自らの借金の返済に使うべきです。
焼け石に水と言えなくもないけど、変なことに使うよりははるかにましです。
見てない人はわからないかもしれないけど、この映画の本編は長い前フリで、結局エンドロールの後のオチが言いたかったのかもしれない。
その辺のところを考えると、原作どおりなのかもしれないけど、すごく真面目に作っていて、感動作にしようとしているところがよくないと思う。
途中をキューブリック風のブラックジョークというか、ブラックユーモアを織り交ぜながら展開していき、最後にあのオチだったらもっと面白かったかも?と思いました。
もし続編があるのなら、あのオチの後の世界を描いてほしいです。
難しいなぁ。
原作を読んでDVDで見ました。
小説の良さがでておらず、残念な出来でした。
元々、今でも都市伝説的なM資金を題材と
しており、テーマ自体が難解な原作ですが
果たして今の日本M資金に興味ある人が
どれだけいるのか?
小説は文章力で発想で読める。
しかし、映像は難しいなぁ。
多分、この映画見るなら原作読んだ方がいい。
青臭い理想は世界を変えるか?
『闇の子供たち』が強烈だった阪本順治監督で、内容も日本ではあまり見ない金融絡みの社会派映画。ちょっと見たいかなって思ってて、この間見たけど結構良かった。
まあ退屈な部分はなくもないし、地味な印象ではあるけれど、映画自体現代に対して、問いかけるだけのテーマがあるから最後まで眠らず楽しんでいられた。
俳優として低い評価って印象を持たれてる香取さんもここではなかなか良い演技してたし、M役に申し分なかったのでは?あと作品のテーマを担ってる森山未來さんも『モテキ』とは違った使命感ある理想を求める役に合ってて、演説のシーンは見逃せなかった。
M資金とかはよく分からないけど、ちょっと見終わって興味も出たし、また見るかもしれないな。
途上国問題
壮大なマネーゲームがテーマに思われがちだが、
途上国問題の方が本当に描きたテーマに思えた。
途上国にも、セキのように才能を秘めた人がたくさんいるのに、
教育が行き届かず、才能が埋もれてしまっている。
膨大なお金を国のために動かすことに疲れた"M"は、セキの母国を助けることを決心する。
その壮大なマネーゲームは、なんだか大き過ぎて実感がわかないで、つまらなかった。
唯一面白かったのは、セキの国際連合での演説だ。
これは途上国を日の当たる表舞台へ押し上げることを意味している。
セキは演説によって、無視しかけていた多くの人の注目を、自分に向けさせたのだ。その堂々たる演技は必見だ。
セキを演じた森山未來に拍手を送りたい。
とてもおしい!
原作の福井晴敏ファンです。
だから、かなり贔屓目になってしまいます。
今回は脚本に福井晴敏先生のお名前もありますし……。
出来上がりはとてもおしい!と、感じました。
キャストは豪華、文句ないです。
森山未來さんは文句なくうまいし、香取慎吾さんのどこか育ちの良さそうなところはMの役柄に合ってたと思います。
ロケも大掛かりで日本映画でもスケールの大きな映画が撮れるようになったなぁと。
アクションはもう少し頑張って欲しいところですが、これは監督の向き不向きではないかなぁ。阪本監督はドラマメインの映画は好きな作品がたくさんあるのですが、アクションがある映画はあまり印象に残らないです。
最も残念なのはM資金の説得力。
私はM資金詐欺を知らなかったのですが、映画ではイマイチ納得させられるほどのリアリティを感じられなかったです。
私は福井作品はどれも好きなのですが、とにかく先生の作品は長い説明セリフが多い。
小説だと割と読めてしまうのですが、映画になるとセリフがあまりに説明臭くてサッパリ入ってこない。
長編小説を映画の尺にするのが一番難しいところだと思いますが、やっぱり収まりきってなかったと思います。残念です。
が、私は全く面白くなかったとは言えません。
ストーリーは考えさせられるものがあるし、人類資金というタイトルの意味を知れば、貧困と富というお金の価値について揺さぶられるところもあります。
なので、とてももったいない映画でした。
未來くんの演技で☆+1
冒頭の歴史的要素にワクワクしたはずが、船での会話から既に難解で気づくと寝てました(汗)
ロシアのシーンで起きて最後までなんとか観ましたが、終始経済の話が難しくて困りました。
香取慎吾は英語を話す役をやりたかっただけなのかな?配役に違和感がありました。
逆に未來くんは見事でした。
発展途上国から来た有能な青年役を、訛りのある日本語や顔つきなどよく表現してるし、クライマックスの演説は感動的でした。
現実味がなくアンチ資本主義の説教じみた作品
『人類資金』の元ネタであるM資金とは、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が占領下の日本で接収した財産などを基に、現在も極秘に運用されていると噂される秘密資金です。M資金の存在が公的に確認された事は一度もないが、その話を用いた詐欺の手口(M資金詐欺)が存在し、著名な企業や実業家がこの詐欺に遭い、自殺者まで出したことで一般人の間でも有名になりました。
本作は、M資金誕生の秘密を明かすかのような導入部から、次第にその資金が発展途上国に使われることで、国際格差や経済協力、発展途上国をどう救済するかという方向へ話が流れていき、まるで経済ネタのような展開をみせる作品でした。投資にまつわる専門的なシーンの連続。加えて尺が不足気味なのか、飛び気味な進行。それでも力技でぐいぐい押しまくる坂元監督の演出では、注意してみないと、観客は置いてきぼりにされそうになってしまいます。繰り返し見るか、1回見ただけで納得するためには、原作を読了してから見に行ったほうがいいでしょう。
なぜそんな展開になるのかというと、以前『闇の子供たち』で発展途上国の貧困と子供たちの虐待を扱った阪本監督の、子供たちの未来のために世界を変えたいという理想論が強く影響しているものと思います。
主人公の真舟と行動を共にする発展途上国・カペラ共和国の代表が国連で演説するシーンは、森山未來の熱演によって大変感動的なシーンではありました。けれども語っている内容とは、資本主義による富の集中を批判し、経済援助よりも人々の真心が発展途上国の救済と発展に繋がるという主張は、ちょっと現実味がなく説経じみて聞こえるのが残念です。邦画作品が国連でロケするなんて、すごいことではあるのですけどね。
その根底には、この原作が執筆された時期が、ちょうどリーマンショックにさしか買っていたことが影響したようです。執筆をした福井晴敏がいうには、個人の欲望を満たすことが目的の資本主義は、このままだと必ず行き詰まるから、欲望の充足(つまりは「効用」という概念)を超える人間性を元にした新たな社会システムを展望したかったようなのです。
トークショウで聞く限りは、福井の目指す世直しのビジョンは、まだ煮詰まっていない気がします。もちろん資本主義に倫理的な価値を加えていくという改革が求められていることは理解できます。これからの企業にとっても価格とか、宣伝力以上に、世の中に社会貢献しているという企業イメージが商品の重要なファクターになって行くことでしょう。 けれども福井自身がまだどう変えていければいいのか漠然としたまま、精神論に結論を持っていったので、青臭く感じるようになってしまったのです。
あまりネタバレしたくないのですが、カペラを発展される具体的な方法として、なんと国民の大半にPDA(ポケットパソコン)を配るのです。写真の存在すら知らない国民に写真で記憶を残す方法を提供することはそれなりに意義あることですが、そんな人類資金が余っているのなら、なんでもっと学校とか教材とか、人材を育成するための資金に使わないのか疑問でした。原作『人類資金』で福井はくどいように、人には天賦の才能が潜在しているから、その才能を引き出すことが世の中の発展に繋がることを懇々と述べているのです。
そういうわけで、本作は『闇の子供たち』で提起された発展途上国の課題をに対する「答え」を明示する作品でした。
キャスト的には、重厚な作品のなかで、真舟を演じる佐藤浩市が意外なところで爆笑ギャグを放ちますからお楽しみに。また、『亡国のイージス』とはちがって派手にドンパチする爆破シーンが皆無なのです。その代わりに監督が用意したのが、仲代達矢が激怒するシーン。その迫力たるや爆破シーンに匹敵するものがありました。
一番疑問に感じたキャストが、詐欺師の腕を見込んで、真舟にM資金の詐取を指令する謎の人物Mを演じた香取慎吾。抑制が効いた芝居の中から滲み出てくるものが、ちゃんとあるものの、M資金にカランだ大掛かりなファンドを動かしている黒幕としては、貫禄不足です。香川照之あたりに演じさせればぐっと画面がしまったのではないでしょうか。他には、ひょっこりオダギリジョーが登場してくるのも意外です。なにげに豪華キャストなんです。そういえば、豊川悦司も漲る殺気で怖かったのですが、何分とある機関のトラブル処理係。出番が真舟たちを追い詰める、あれだけなんて贅沢すぎますぅぅぅ~。
そもそもカット割りの少めでアート志向の強い阪本監督が本作のような娯楽アクション映画にあっていないことが問題ではないでしょうか。例えば大友監督が本作を手掛ければ、細かいカット割りと絶妙な伏線のリンクで、グイグイとラストに向けてM資金ら踊らされる人間たちの狂乱に引き込まれていったことでしょう。
最後に、エンドロール終了後にも、カペラでの石油開発事業に絡む仕手戦の顛末が語られる映像が出ますので、お席を立たないでください。
深い内容です!
予想よりずっと見応えがありました!
(他の方のレビューを読んでから行ったので・・・)
恐らく見る人の視点で随分と評価が変わる作品です。
娯楽作品としてその場を楽しむというよりは、「世の中の仕組みや貨幣価値」を立ち止まって考えさせられるという意味で、私の中では後々残る印象的な作品になりました。
ただ、途中物語の展開が解りずらかったのは残念でした。
パンフレットの解説が読み物として充実していて、併せて読むとより楽しめると思います。
荒唐無稽
話が進むにつれ、バカバカしさ満載!!なんで、発展途上国に携帯を配らなければならないのだろう?? その前にやることがたくさんあるでしょうに・・香取真吾の棒読みセリフ回しにもアングリ・・今までの坂本監督の作品と比べ、ただ残念です!
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