「何だか・・・頑張れそうな気がしてきました」くじけないで シュナイダーさんの映画レビュー(感想・評価)
何だか・・・頑張れそうな気がしてきました
おばあちゃん詩人の柴田トヨさんに関しては、正直名前と年齢ぐらいしか存じ上げていませんでしたが、何とも心安らぐとても優しい詩を書き上げた方だったのですね。
心が・・・物凄く温まりました!
しかも人となりも本当に素晴らしいの一言。
こう言う生き方をしてきた方だったからこそ、こう言う詩が書けたんだなと、この映画を見て至極納得した次第であります。
私はトヨさんの詩は初見でしたが、何度も読んで知っている方でも、この映画を見た後にまたトヨさんの詩を読み返してみたら、きっと更に深みを感じられるのではないかなと・・・そんな風に思えるような作品でした。
それにしても、優しさの塊のような八千草薫と、バカ息子役が嵌りに嵌った武田鉄矢の関係性が、たまらなくツボでしたね。
こんなバカ息子でも、いや、バカな息子ほど親にとっては可愛いものなんだろうなと、しみじみ・・・。
どんな相手にも無償の愛で包むトヨさんの、八千草薫の優しさに触れて、物凄く心癒され、物凄く前向きな気分にさせられました!
とても良い映画でしたね。
八千草薫(柴田トヨ)・・・トヨさんの人生、佇まい、優しさ、それら全てにホッコリさせられました。
トヨさんの詩が心に響くのも、思わず納得させられるような素晴らしい人間性でしたね。
気品漂う八千草薫の存在感が、さらにトヨさんの存在価値を高めた印象です。
檀れい(若き日の柴田トヨ)・・・う、美しい!
こんな綺麗な母親だったら、きっと毎日が楽しくてしょうがないでしょう。
何でこの母から健一のような息子が生まれたのか、ちょっと謎ですね(笑)
芦田愛菜(幼少期の柴田トヨ)・・・やはり天才子役!苦難に耐えた奉公先でのシーンはお見事の一言でした。
そしてあの満面の笑みに、相当癒されました。
武田鉄矢、尾上寛之(柴田健一)・・・あまりのダメ息子っぷりには呆れて怒りさえ込み上げてきましたが、そんなギリギリの線を演じた武田鉄矢の演技はお見事としか言い様が無かったですね!
それと尾上寛之の金八先生風なヅラが結構ツボでした。
伊藤蘭、黒木華(柴田静子)・・・健一には勿体無いぐらい出来た嫁さんでしたね。
回想シーンの黒木華があまりにも伊藤蘭に似ていてちょっとビックリ。
鈴木瑞穂、橋本じゅん(柴田貞吉)・・・無骨で一本気な昔気質の職人でしたが、トヨさんを心から愛し、全力で守ろうとした姿には感動を覚えました!
特に橋本じゅんの演技には思いっきり感情移入させられましたよ。
倉野章子、粟田麗(柴田サト)・・・トヨさんに負けず劣らずお母さんのサトさんも本当に心優しい女性だったのですね。
特に粟田麗が演じた若き日のお母さんは、子供心に守ってあげたいと思うのも妙に納得の存在感でした。
上地雄輔(上条医師)・・・トヨさんに惚れられるのも納得のイケメン医師を好演。
揺れる心、そしてくじけそうになる出来事を目の当たりにしてあの詩を貰ったら・・・それはやっぱり泣けますよね・・・。
人生は、いつだってこれから。
何かを始めるのに、遅すぎるなんてことは決してない・・・はずですよね、トヨさん。