劇場公開日 2014年2月1日

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「映画化して安っぽくなった」抱きしめたい 真実の物語 CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5映画化して安っぽくなった

2014年11月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

北海道放送が製作したドキュメンタリー番組「記憶障害の花嫁」をベースに、ジャニーズ映画として塩田明彦監督が映画化。
元ネタとなったドキュメンタリーは見ていた。

本作は、ドキュメンタリー番組と比べて、ヒロインの病状について、記憶障害よりも身体障害を含めた事故の影響全体に寄せていたように感じた。もう少し、記憶障害の苦労を描かいた方が、観客にヒロインの病状の深刻さを知らせるためにも良かったのではないだろうか。

映画化の際に「奇跡のラブストーリー」「日本中が涙したドキュメンタリーの映画化」などと言ったフレーズが踊らされた。しかし、肝心の映画の出来は、奇跡や感動を押し売りされて納得できるほどの出来映えではない。まぁ映画単体として評価すれば、「障害」「難病」「死」をテーマにした最近の流行の中では凡作というところか。

ドキュメンタリーを見た方が、よほど主人公たちの生き様や悲劇の現実を突き付けている。実話をベースにして「障害」「難病」「死」を使うなら、その実話そのものが持つ力以上に映画的な何かを見せてくれなければ意味がない。単に安っぽくなったように感じるのは、その「何か」が本作では感じられなかったからだ。

最近は目立った映画も作れていない塩田監督だが、随所に「らしさ」は感じるものの、「もっと塩田監督らしさがほしい」「企画もので手を抜いたのかな」というのが率直な感想。

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CRAFT BOX