「良い意味で予告を裏切られた。 お涙頂戴にしていないのが好印象。」抱きしめたい 真実の物語 たくっちさんの映画レビュー(感想・評価)
良い意味で予告を裏切られた。 お涙頂戴にしていないのが好印象。
映画館で何度も予告編を観て釣られてしまったクチです。
よくある泣く泣く的な作品と思ったら
いざ観たら、全くそうではなく
ドキュメンタリーに近い感じでした。
他の方が既に書いておられますが
人の不幸の話は脚色如何でいくらでも
お涙頂戴的な形に仕上がるんですよね。
それを逆に真っ向から否定し、
ドキュメンタリーのような感じに仕上げているのは
非常に好感が持てました。
ただ生活感満載だけでは映画作品として話にならない。
かといってフィクション満載にしてしまうと
いかにも「作られた」映画の雰囲気しか残らない。
この作品はちょうどその二つの境界線の真ん中をいってると思います。
そうして考えると、メインキャスト二人
錦戸亮・北川景子の演技が素晴らしい。
違和感をほぼ感じさせないくらい役に溶け込んでいました。
脇のキャスト陣も演技含めて作品にほぼ完全にマッチング。平山あやとか、ジモンさんとか、チラ登場だけでしたが窪田正孝とか。
とくに二人のそれぞれの両親役が流石の演技でしたが、その中でも國村隼さん演じる父親はいい役回りでしたね。
ただ、随所に入るメッセージで、観る側の
没入感が削がれるのがちょっと残念。
敢えて読ませるが作品の方向性であり、
安易に語り部に語らせて分かり易くしないという意向にも見えますが…。
久しぶりに
見終わってからジワジワくる作品であり
良い意味で考えさせられる作品でした。
エンドロール後にもワンカットあるので
時間のある方は是非。
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