劇場公開日 2014年2月1日

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「懸命に生きる2人を抱きしめたい!」抱きしめたい 真実の物語 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5懸命に生きる2人を抱きしめたい!

2014年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

幸せ

この映画の主人公、つかささんは、高校生の時に大事故に遭遇し、一命を取り留めたものの、重症の傷害を負い、長いリハビリの末車イスで、一人暮らしをする迄に、その後は回復するが、記憶生涯と言う後遺症にも悩まされ、辛い日々を懸命に生きている。
そんな彼女の前に、雅巳と言う誠実な若者が出現。
この彼氏との出会いがあり、彼女が数々の苦難を乗り越え、結婚出産までの日々を丁寧にこの映画は描き出していく。

2時間にも及び、たっぷりとこのヒロイン、つかさと雅巳の出会いから結婚迄のプロセスを描いて行く過程は、数々の笑いの要素を盛り込み描いているが、とても観ていて辛いものがあった。
特に、ヒロインつかさの母親を風吹ジュンが素晴らしい演技で熱演し、披露してくれていた事がこの映画の全体を引っ張っていた。
交通事故後は、きっと母親だけで、つかさを育てていたのだろう。
このつかさの家庭を描くシーンでは父親は全く登場しない。
そして、その理由は何の説明も無かった気がする。
これだけでも、母子家庭と言うハンディを負い、更に後遺症を患った娘とその娘を護る母親の存在は辛く難しい立場だったろう、この親子の壮絶な日々は映画では到底描ききれない過酷な日々が有った事だろうと思うと胸が痛む。
しかし、この映画を観ていると人間は、人間と出会い、その出会った誰かを愛して、家庭を持ち、生きて行くことの素晴らしさ、生命の大切さを実感させられる。
特にこの2人の間に、子供が生れる、その出産のシーンは感動的だった。
そして、雅巳の父と母の2人を見守るプロセスも素晴らしい。
人間懸命に生きていると、多くの協力者を得て、不自由なハンディの部分をサポートしてくれる人が必ずいてくれると言うのも、本当に有り難いものだ。

日々映画を観て生活出来ている自分は、生きながらにして天国に暮しているようなものかもしれない。
若い日々と比べると年老いて、体力も衰えてきている自分だが、健常者である自分は何不自由なく、日々をやり過ごしている。
平凡に生きられている事こそ、一番の幸せなのだろうと、この作品のような闘病記物を観るといつも考えさせられる。
しかし、その一方で、「この世の中、神様はいるのだろうか?」
と言う想いが頭をよぎるのだ。
何故って、この物語が実話だというのだから・・・
しかし、それでも人は生きなければならない!自分で生きている日々も本当は生かされてこの命の有る日々を過ごしていられる事を深く認識させられる感動作品であった。
この作品で、雅巳とつかさを演じた、若い2人も、体当たりで熱演していた。
ハンカチを用意して、映画館へ行って下され!

ryuu topiann