「オマージュがない」キャプテンハーロック 翼羽飛鳥さんの映画レビュー(感想・評価)
オマージュがない
漫画も初代のアニメも観た者です。
観終わった感想は、「いかにも松本氏らしい自己満足作品」です。
自分は、ハーロック譚では、初代アニメや劇場版銀河鉄道999が一番好きです。
即ちそれは、「りんたろう版ハーロック」という事です。
後に松本氏ご自身でリメイクやらをたくさん作られましたが、氏が関わると必ず作品自体が支離滅裂になっていく気がします。
それは商業主義の為に、違う物語を無理矢理繋ぎ合わせたご都合主義によるものだと解釈しています。
この作品も氏は、自身のイメージにピッタリだと絶賛しておられたと記憶しています。
しかし、ハーロックファンの殆どは、りんたろう版ハーロックのファンなのではないでしょうか。
だから、総じて厳しい評価ばかりなのだと思います。
これは自分達が愛したハーロックじゃなく、全く新しい主人公です。
ストーリーは、氏が好きな少年が大人になるってストーリで、氏としては満足だったのかもしれません。
でも戦う理由が、ハーロック自身が汚した地球の存在を完全消滅させて、無からやり直す為ってのも?だし、ハーロックもヤマもウジウジしていて歯痒いし、ミーメやトチローの存在意義も希薄です。
挙句に兄弟喧嘩の原因が女性問題で、案の定彼女は死んでしまいます。
他、ハーロックが死んだと思ったら生きていて、ハーロック二人体制になったり、ミーメも消滅したはずなのに復活したりで?????状態です。
初期稿では殺したけれど、氏からクレームが入って変えたのかなと勘ぐってしまいます。
ハーロックを全く知らない人には、映像を観る価値だけはあります(映像で星1つプラス)。
しかし、りんたろう版ハーロックの自分には、「あーあ、松本さんまたやっちゃったヨ」としか感じません。
せめて、ナレーションを井上氏にアテてもらえていたら、嬉しかったのですが、そういった配慮も全くなかったのが至極残念です。
原作者や製作者達のマスターベーション的な作品で、第三者が感情移入出来る物語じゃありません。