「ジョセフ・ゴードン=レビットの吹っ切れた時の顔が最高でした。」ドン・ジョン Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョセフ・ゴードン=レビットの吹っ切れた時の顔が最高でした。
良かった。
俳優監督の初監督作品として、自身の俳優としての特性を理解した話であり、映像の構図を絞って繰り返した点に好感を持ちました。
まず俳優としてのジョセフ・ゴードン=レビットの良さとは。
個人的には『現状を脱却して吹っ切れた時の顔』だと思っています。
あの泣き笑いのような顔。悟りを開いたような顔。
溜めて溜めて溜めて…この顔ドーーーン!!、という話であれば十分及第点。
で、本作。
キチンとその顔に向けて話が進んでいきます。
もうこれだけで個人的には満足でした。
また映像の構図も良かった。
画角等の専門的な知識は無いので、その観点での良し悪しは分かりませんが。
同じ映像の構図が繰り返し出てくる点は良かった。
ジョンが習慣的に繰り返す行為は同じ映像の構図に統一。
というか、ジョンが一種病的に生真面目であるため行動が数種類の繰り返し。
話の展開と共に微妙な変化を見せつつ敢えて同じ画面の繰り返しの場合もあり。
変化が分かり易く、同じ画面の際は外し演出もあり面白かったです。
特筆すべきはジョンのポルノビデオ鑑賞。
その一連の動作の最初の音。
中盤以降はこの音が聞こえるだけで劇場内に笑いが起きていました。
音だけで笑いを誘うのは映画「The Cabin in the Woods」以来。
教会での懺悔シーン、そしてベッドの中での或る行為の時間に言及するシーンも最高でした。
ゲラゲラ笑いつつ、部分部分で自身の他者に対してしてしまう無意味な期待等に気づかされる本作。
話自体も面白いですし、ジョセフ・ゴードン=レビットの吹っ切れた時の顔を観るためだけに足を運ぶ価値ありです。
オススメです。
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