「凡百のラブロマンスとは少し違うかもしれない」愛さえあれば αさんの映画レビュー(感想・評価)
凡百のラブロマンスとは少し違うかもしれない
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どちらかといえばいつも重たいスサンネ・ビア監督が、キラキラまぶしい南イタリアを舞台に大人のラブロマンスをどうやって描くのか興味があり、拝見。
結論からいえば、やっぱりビア監督には、もっとどうしようもなく心にズシリとくるものを描いてほしいな…と思った次第。いつもそういうのばかりでは作家として停滞してしまうかもしれず、新しい分野・作風に挑戦していくことは歓迎・応援すべきことですが。
どうしても、南イタリアのまぶしい陽光が似合わない…というか。こちらの勝手な思い込みですけど。でも、ヒロインがイーダが、ガン治療でなくなった頭髪もすべてをさらして海で泳ぐ場面など、見た目だけ軽やかなラブロマンスなら、決して描きそうにない、つきささる現実もサラッと描写しているあたりは、やっぱりこの監督ならではなかとも思い。同じような題材の、中高年が第2の人生を歩み始めるロマンス映画はたくさんあると思いますが、それらとは少し一線を画する作品になったのかなと思います。
ラストシーンも検査結果の内容をあえてはっきりさせず、観客の想像にゆだねるところも好感もてました。でも、あの2人の笑顔から、きっと良いほうだったのではないかな…と思いたいです。
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