「【”母の自らの子を愛する想いはとてつもなく深い。そしてその妄念は幽霊になり狂的になっていくのである。”今作は、ギレルモ・デル・トロのダークな世界観が炸裂する、哀切なるゴーストホラーである。】」MAMA NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”母の自らの子を愛する想いはとてつもなく深い。そしてその妄念は幽霊になり狂的になっていくのである。”今作は、ギレルモ・デル・トロのダークな世界観が炸裂する、哀切なるゴーストホラーである。】
■精神を病んだジェフリーは、妻と2人の共同経営者を殺害。
さらに、森の小屋で幼い2人の娘まで手にかけようとするが、そこに潜む何者かに彼自身が消されてしまう。
5年後、姉のヴィクトリアと妹のリリーを森の小屋で発見したジェフリーの弟・ルーカスは、恋人・アナベル(ジェシカ・チャステイン)と4人で暮らし始めるが、不可解な事象が家の中で次々に起こる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・発見された際の、姉のヴィクトリアと妹のリリーの四つん這いになって歩く姿が怖い。
・姉のヴィクトリアと妹のリリーを育てていた、壁の中に潜むモノが前半は、姿を現さないので怖さ百倍である。
・ドレイファス博士が心理療法で姉のヴィクトリアと妹のリリーから聞き取った事。それは、精神病院に入れられていた女性が、赤ん坊を連れて崖から飛び降りた事。
だが、赤ん坊は途中の木の枝に引っ掛かり、二人は離れ離れのまま、息絶えた事。
■映画館で今作を観たら、間違いなく椅子からピョンピョン飛び上がるシーンが数々続く。物凄く怖い。けれども、面白いのである。
<クライマックスの森の小屋の近くにあった、崖の上でのママと、姉のヴィクトリアと妹のリリーを助けようとするルーカスとアナベルの攻防は怖いが見応えがある。
再後半は狂気の幽霊になったママも姿を現すが、VFXを効果的に使って怖さ100倍である。
そして、人間界に未だ100%戻れていない妹のリリーはママの元へ。姉のヴィクトリアはママの所には行かずにルーカスとアナベルの元に残るのである。
今作は面白怖い、母親の自らの子供への愛情が狂気の幽霊となってこの世に妄念を残した様を、ギレルモ・デル・トロが制作総指揮を取る中で、彼のダークな世界観と融合させて表現した作品なのである。>