「切ない。」MAMA -Lien-さんの映画レビュー(感想・評価)
切ない。
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1歳からの5年間、一緒に過ごしてしまったらそれはもうどんな姿形であれ「ママ」なんだと思いました。
ヴィクトリアは物心ついてからの5年間だから、まだママの異形さに気づいたり、人間としての生活に戻ったりできたけど…リリーは自我が芽生え自分と他者の存在を認識し始めた頃には既にママと姉のヴィクトリアしかいなかったし、リリーの世界にはあくまでママと自分とヴィクトリアの三人しかいないんだと思いました。
だから、最後のリリーの言葉に胸が苦しくて仕方なかったです。
人間らしい振る舞いも、清潔な家も、綺麗な洋服も、目新しいおもちゃもリリーにはいらなかったんだなぁと。
ただただ大好きなママと、お姉ちゃんといたかったのかなと思うととても切ないです。
リリーの無邪気な笑顔と笑い声は、ママと遊んでいる時だけ…ママにしか向けられなかったのが何よりのリリーの心情だと感じました。
でも、できれば戻ってきて欲しかった…
あのラストがたとえリリーの幸せな選択だったとしても、戻ってきてほしかったです。悲しい。
だけど元を辿ればリリーとヴィクトリアの実父があんなアホなことをしなければ、姉妹はママを知らずに過ごせて、5年間も過酷な生活を送らず、人間として過ごせていたのにと思うと、どこに怒りの矛先を向ければいいのやら。
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