「早打ちローズ」タイピスト! 星織音さんの映画レビュー(感想・評価)
早打ちローズ
『タイピスト』というフランス映画を観ました。
正直、あまり期待していませんでしたが、なかなか面白くて良い映画でした。
時代は、1950年代のフランスです。
主人公の女性は、田舎から社長秘書に憧れて都会に出て来ます。
タイプを打つ速さと美人なのが認められて、社長秘書になります。
会社と言っても、社長と社長秘書だけの会社です。
しかし、一週間の試用期間があり、秘書に向いてないと言われ、クビになりそうになります。
ただし、ノルマンディー地区のタイプの早打ちコンテストで優勝したら、雇用を継続するという条件が出ます。
結果は惨敗しますが、1年間、社長と一緒に早打ちのトレーニングをします。
社長は、彼女に気がありますが、いつも躊躇して態度がはっきりしません。
実は、昔、結婚を考えていた両想いの女性がいたんですが、戦争未亡人にさせたくないという思いから無言で去り、戦争が終わって帰って来ると、その女性は結婚していました。
そして、その女性には子供もいますが、お互い感情を抑えて、その旦那も含めて友達付き合いをしています。
主人公の女性は、最初、タイプライターを10本の指で打てなくて、左右の人差し指2本だけで速く打っていました。
また、そこが可愛いかったのですが、社長の御屋敷に住み込み、社長の指導や特訓の成果が出て、1年後には、アメリカのチャンピオンを破り、タイプ早打ち世界チャンピオンになります。
おまけに、社長は友達付き合いを続けている元恋人に、彼女のタイプの早打ちの上達のため、ピアノを教えてくれるように頼み、渋々引き受けさせたりもしています。
このピアノのレッスンで、タイプを打つ速さは格段に増します。
だんだん、彼女の方が、社長の虜なってしまいます。
社長は、相変わらず、昔の恋を引きずっていて、迷いがあります。
フランス大会の後、社長は一端、自分から身を引き、彼女を忘れようとしますが、二人の恋は燃え上がり、世界大会の時によりを戻し、世界チャンピオンとなります。
最後に、社長が、
「今まで、みんなのためばかり考えて生きて来たが、やっぱり、僕には君が必要だ」とプロポーズして、めでたし、めでたしです。
この映画の中で感じたのは、フランス大会の前日、彼女の方から社長を誘い、ベッドを共にします。
こんなベッドシーンは、最初いらないと思ったのですが、その後の二人の心の葛藤を考える上で、やはり必要だったと思います。
最後に、一言付け加えますが、彼女は、かなり可愛いいし、美人です。